開校10周年「ブリスベン日本学園」

開校10周年を迎えた
「ブリスベン日本学園」訪問

“ブリ学”の愛称で親しまれるブリスベン日本学園が、今年で開校10周年を迎えた。児童・生徒たちがのびのび学べると評判の同学園。今回、実際に訪れてみて見聞きしたリポートをお届けする。取材・文・写真:植松久隆

8月13日、ブリスベン日本学園が使用する借用校舎に力強い和太鼓の音が響き渡った。校舎にこだまする和太鼓の音に、全校児童・生徒が聞き入った。10周年を祝って盛大に行われた「お祭り」は、太鼓やよさこいなどのパフォーマンスの他、おみこしやこま回しなどの体験型アクティビティーも行われ、大盛況のうちに終わった
8月13日、ブリスベン日本学園が使用する借用校舎に力強い和太鼓の音が響き渡った。校舎にこだまする和太鼓の音に、全校児童・生徒が聞き入った。10周年を祝って盛大に行われた「お祭り」は、太鼓やよさこいなどのパフォーマンスの他、おみこしやこま回しなどの体験型アクティビティーも行われ、大盛況のうちに終わった

ブリスベン日系コミュニティーの“エスニック・スクール”として設立されてから10年。“ブリ学”の愛称で親しまれる同校は、日系の子どもたちの「継承語としての日本語教育」の実践の場として確かな実績を積み上げてきた。

生活言語と学習言語が異なる生徒にとって、公用語の英語と彼らにとっての継承語となる日本語の両立学習は決して簡単なものではない。しかし、ウエストエンドの借用校舎(ブリスベン・ステート・ハイスクール)に毎週土曜日、ブリスベン各地から通ってくる同校の児童・生徒たちは、楽しみながら熱心に日本語と日本文化を学んでいる。

“ブリ学”らしさは、その運営にも表れている。非営利団体として運営される同学園は、州政府からの助成金と授業料を元に、保護者の有志ボランティアで運営の全てを賄っている。その保護者の“自治”があるがゆえに、学内に堅苦しい雰囲気はない。

実際に年次総会の様子も覗いたが、質問や提案などが自由闊達に飛び交い、保護者間の風通しの良さを感じた。

強制ではない参加型の運営こそが、子供たちがのびのびと学ぶ“ブリ学”ならではの雰囲気を作り出しているのだと得心した。

そんな同学園の教育アドバイザーを務め、自身も長くクイーンズランド大で教壇に立ち続けてきた日本語教育のエキスパートである永田由利子さんに話を聞いた。

――ブリスベン日本学園の設立の背景・経緯を教えてください。

当学園は、日系の国際結婚家庭や永住者家庭の子どもの増加を背景に、長くその必要性が唱えられてきた「継承語としての日本語教育」を行うエスニック・スクールとして開設されました。
 2006年7月、初等部低学年/高学年合計16人の児童・生徒を迎えてスタート。創立10周年にあたる今年度は、総児童・生徒数が117人までに成長しました。

――学園の教育の特徴と実績は?

当学園は、QLD州教育省のAHES(アフターアワー・エスニック・スクール)の日本語エスニック・スクール第1号として認可された学校です。教員は全員有資格者で、日本語教育専門家の指導で独自教材を開発するなど、日系児童・生徒たちの日本語能力・日本文化の理解力向上に大きな成果を上げてきました。唯一の12年生まで通える“土曜校”として、今年度までで6人の卒業生を送り出しています。

――10年目を迎えた学園が今後目指すものは?

多文化共生社会で育つ複言語・複文化の子どもたちに必要なのは、自分を肯定してアイデンティティーを築いていく力です。同学園でのさまざまな活動を通じて、複文化の中で主体的に生きられる異文化対応能力を持った子どもたちを、これからも多く育てていければと思っています。

10周年を迎えた“ブリ学”は、これからも確実な実績を残しつつ日系コミュニティーでの存在感を高めていくに違いない。更に発展しての20周年、30周年、学園がどんな成果を積み上げていくのかを、日系コミュニティー全体で温かく見守っていく必要があるのではないだろうか。





“ブリ学”で、「日本」を学びませんか?

ブリスベン日本学園では現在、来年度の新入生を募集しています。詳しくは、学園のウェブサイト(Web: jlcsb.web.fc2.com)をご参照ください。また、ご不明な点がございましたら、学園のEメール(jlcsbinfo@gmail.com)まで、ご遠慮なくお問い合わせください。皆様のご応募を心よりお待ちしております。(ブリスベン日本学園・生徒係)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る