とらわれない心/福島先生の人生日々勉強

福島先生の人生日々勉強
とらわれない心

何か問題を起こしてしまった時、原因を特定して改善に導くという方法が有効に働くことがあります。しかし、何度も同じ失敗を繰り返しているというようなケースにおいては、自分1人でその作業を行うのは難しいというのも現実です。度々不愉快になる、不快な経験を何度も繰り返すといった状態にあると、なおのこと原因を追及し、理解したくなるものです。そして「過去の体験や記憶の何かが現在に悪影響を及ぼしているのかも」「潜在意識に否定的な観念があるのかも」などと推測しがちです。そういう場合は、原因を理解したいという気持ちをいったん手放してみることをお薦めします。そして、その問題について自覚している負の感情も解放してしまいましょう。

問題の原因を理解したいという気持ちの前提には「理解しないと同じ問題がまた起こるだろう」という想定があります。実はその想定こそが、また同じ問題を作り出すのです。「意識」は、想定・予測・イメージした体験を作り出すものだからです。原因を理解したいという気持ちを解放すると、これまでの自分や現状を客観視することができ、必要な洞察を得やすくなります。

まず「なぜ、こうなってしまうのだろう」など、原因を理解したいと思っていることがあれば、そこに意識を向けてみましょう。そのことについて「理解したい、でもまだ理解できない」という気持ちに注視します。

「把握したい、掴みたい」という感覚が、頭や胸、腹などの体にあるかもしれません。その感覚をそのまま許容し、容認してみます。そして握り締めた拳を緩めるように、ふっと力を抜いてみましょう。イメージや意図だけでも解放はできますが、手でそのような動作をしてみると体感しやすくなります。何度か繰り返し、幾らか緩んだら、同じ問題をまた意識してみます。「理解したい」という気持ちがまだあれば、それを認めてから放します。「頭が静かになる、思考が緩やかになる」などの感覚が現れてきたら、その静穏を味わい、しばらく寛ぎます。それから、その問題についての見方がどうなっているかを観察します。

「手放す」ということは、とらわれていた思考の範囲から解き放つ非常に効果的な方法です。新しい発想が現れるスペースができ、高い視点に立つことで洞察を得やすくなります。良いアイデアがふと浮かぶ、他者の考えや視点を適切に吸収するなど、以前の自分より高いレベルで解決できるということが自然に起こる状態になるのです。「問題は、それを作り出した時と同じレベルの意識によって解決することはできない」という、アルバート・アインシュタインの名言通り、解決できなかった時の意識のままでは、解決方法を見つけることはできません。「手放す」ことは、そのための大事な1歩なのです。


福島先生の教育指導

教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。32年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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