【WH日記】チアで目指すは世界のメダリスト – 笠原園花さん

みんなの「ワーホリ・ダイアリー」

チアで目指すは世界のメダリスト

第58回 今回登場のワーホリ・メーカーは?

笠原園花さん


1992年まれ・東京都出身
高校入学を機にチアリーディングを始め、青山学院大学進学後も同大の部活に所属。その後、社会人チームに所属し日本代表として2016年の世界大会に出場。世界大会後は、レベルアップを目指し現所属のサザン・クロス・チアリーディングに加入、選手として活動を続ける(Instagram: @cheersonoka


ジャンプに組体操の技といった特有の技術に掛け声などを交え演技を構成し、楽しさ、美しさを「表現」するスポーツ、競技チアリーディング。全豪でチーム数は1,400以上、競技人口は1万2,000人ほどに上るという。今もなお競技人口が伸び続けているその人気スポーツにあって国内屈指の強豪チーム「サザン・クロス・チアリーディング」(メルボルン)に、笠原園花さんは選手として所属している。そこでの毎日は、チームと共に世界大会での表彰台を目指し鍛錬を重ねる日々だ。

笠原さんがチアリーディング(以下、チア)に出合ったのは、高校入学直後の部活動紹介の時。華麗に宙を舞う先輩たちの姿に心を奪われ、入部を決意した。その後も都内で強豪校の1つとされる青山学院大学に進学、チアリーディング部に籍を置いた。全身全霊で活動を続ける日々だったが、一方でこのころ「チアが嫌いになった」と話す。

「授業が終われば部活。友達同士で集まっておしゃべりもできず、一般的な大学生活を送れる友達の姿をうらやむばかりでした。卒業するころには『今後チアには関わらない』と心に決めました」

普通の生活を送る――。そんな思いで始まった社会人生活だったが、長くは続かなかった。高校からチア漬けの7年間を過ごしたため週末の過ごし方が分からず、チアのない生活に笠原さん曰く「つまらない」と感じたのだという。そこで急いで社会人のチームを探し活動を再開、2016年にはそのチームで日本代表として世界大会にも出場した。この世界大会への出場が、大きな転機となった。同大会で日本代表は出場12カ国中11位という世界の壁を痛感する結果に終わったが、その当時をこう振り返る。

「大会後に現役引退するつもりでしたが、世界の強さの前に『ここで終われない。世界のライバルたちには負けられない』とスイッチが入りました」

世界大会後、仕事の関係でドバイに駐在していたためにチアからは離れていたが、より高いレベルを目指すための方法を探し続けた。そこで考えついたのは、世界トップ3のチームに入ること。そして、自らが出場した16年の大会で銀メダルに輝いていた現在のチームに入団のトライアウトを申し込んだ。加入できれば将来ワーキング・ホリデー制度を利用し長期で活動できることも門をたたく決め手となった。

自分の存在を確かなものへ

17年6月、来豪当日に受けたというトライアウトに見事合格。そこから3カ月間の活動を経て一度ドバイに戻ったものの、今年1月、「世界大会に出場するチームのメンバーになって欲しい」とチームから要請を受けたのを機に仕事を退職して急きょ再来豪を果たした。この2回の来豪は観光ビザによるものだったが、その理由をこう話す。

「トライアウトの段階でワーホリ・ビザで来てしまうと、入団できなければビザが無駄になる恐れがありました。また2度目の来豪も世界大会後にどういう気持ちになるか、当然ですがその時は分かりませんでした。メダルを取って満足し現役引退を決めていたかもしれません。なので、観光ビザで来ました」

メダリストになれるかもしれないチャンスを逃すわけにはいかない――。そうした思いで退職してまで臨んだ世界大会の結果は、6位とメダルには届かなかった。しかし、この結果がワーホリでオーストラリアに残り活動を続けることを決意させた。

「6位という悔しい結果に終わったことでメダリストへの思いが更に強くなりました。そして、チームに途中から加入して迷惑を掛けることも多かったので、次の世界大会までには自分の存在感を高め、チームを引っ張る側に成長したいという気持ちになったんです」

実際に、現在の自身のチームにおける序列が決して高いものとは言えない、次のエピソードを打ち明けてくれた。

「一度コーチが演技の中で自分をセンターに入れてくれた時に、あるチームメイトが『何で園花がセンターなの?』とつぶやいたみたいなんです。それを聞いた時、これが私の現実なのかと思いました。他のメンバーにとって目標は他にあるかもしれませんが、自分はチームの中ではい上がらなければならない存在だと痛感しました」

内なる戦いがある。だが、現在の自身の課題について尋ねると「自分の課題より、チームとして上を目指すことに意識を向けています」と未来を見据えた力強い言葉が返ってきた。

今後、チームは来年の世界大会こそ欠場するが、2020年の大会に満を持して臨むという。ワーホリからその先へ――。全力で走り続ける笠原さんは、そこに全てをぶつける。

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