2016年2月 ニュース/総合

1月19日、ワシントンのホワイトハウスで言葉を交わすマルコム・ターンブル首相とバラク・オバマ米大統領
1月19日、ワシントンのホワイトハウスで言葉を交わすマルコム・ターンブル首相とバラク・オバマ米大統領

ターンブル首相、初訪米

イラクとアフガニスタンも歴訪

マルコム・ターンブル首相は1月18〜19日、就任後初めて米国を訪問した。19日にはワシントンでバラク・オバマ米大統領と豪米首脳会談を行い、対テロ戦での連携強化や環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の批准の重要性などで一致した。公共放送ABCが伝えた。

会談の冒頭、オバマ大統領は「オーストラリアは米国に次いで2番目に多い地上兵力を(イラクに)投入している」と述べ、自称「イスラム国」(IS)との戦争へのオーストラリアの貢献を評価した。先にイラクを訪問したターンブル首相は「豪米によるイラク軍への支援が(ISからの)要衝ラマディ−の奪還を可能にした」と述べ、対IS戦での豪米連携の成果を強調した。ISはネットを巧みに利用していることから、サイバー空間でも豪米が連携を強化する。

オーストラリアは「有志連合」の主要国として米国などとともに対IS空爆に参加、本格的な地上軍の投入には踏み切っていないが、航空要員約400人のほかに軍事訓練要員約300人と特殊部隊約80人の地上要員をイラクに派遣している。米国はこのほど首脳会談前にオーストラリアに追加派遣を要請したものの、オーストラリアは既に十分に貢献しているとして増派を見送っていた。

地上戦はイラク軍主体で

訪米に先立ち、ターンブル首相はイラクとアフガニスタンを歴訪した。首相は16日、イラクの首都バグダッドでイラクのアバディ首相と会談し、オーストラリア軍の軍事訓練要員が駐留するバグダッド近郊の基地も訪れた。首相は基地で「イラクの地上軍が(奪われた)領土を取り戻さなければならない」と述べ、あくまでもイラク軍が主体となってIS壊滅の地上戦を行うべきだとの考えを示した。

首相は17日、アフガニスタンの首都カブールを訪れ、ガニ大統領と会談したほか、アフガニスタンに駐留しているオーストラリア軍の兵士らを慰労した。オーストラリアは現在、イスラム過激派組織タリバンと戦っているアフガニスタン軍を支援するため軍事訓練要員など約250人の兵力を派遣している。


オーストラリアからの訪日者数は航空座席の供給拡大などを追い風に急増している(Photo: JNTO)
オーストラリアからの訪日者数は航空座席の供給拡大などを追い風に急増している(Photo: JNTO)

15年の豪訪日客数、38万人に

前年比24%増、過去最高更新

日本政府観光局が1月19日に発表した2015年の訪日外客数の推計値によると、同年にオーストラリアから日本を訪れた外客数は37万6,200人と前年比で24.3%増加した。前年(30万2,656人=同23.8%増)に続いて過去最高記録を更新し、高い伸び率を維持した。国・地域別では7番目に多く、国民1人当たりの訪日需要で見ると、ライフスタイルが似ている英語圏では群を抜いて高い。

昨年1月に発効した日豪経済連携協定(EPA)や航空路線の新規就航が追い風となり、ビジネス需要も好調だった。月別では、5月に大型クルーズ船が寄港したことで前年同月比33.9%となったほか、8月にはカンタス航空による羽田−シドニー線と成田−ブリスベン線の新規就航に合わせたキャンペーンで36.8%増を記録した。紅葉やスキーの人気も高く、11月と12月も30%台の高い伸びが続いた。

世界全体の訪日客数も1,973万7,000人と47.1%増加し、大阪万博が開かれた1970年以来45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数を上回った。円安の定着やビザ発給要件の緩和、消費税免税制度の拡充などを背景に、主要20市場のうち19市場で過去最高を記録した。日本政府は東京五輪が開催される2020年までに訪日客数年間2,000万人の目標を掲げているが、このまま伸びれば4年前倒しの達成がほぼ確実となった。


「ビール経済圏」立ち上げーQLD州の男性

現金ではなくビールで対価を支払う仮想経済圏「ビア・エコノミー」が話題を集めている。軽作業を手伝ってくれた人や商品を分けてくれた人にビールを支払う草の根のネットワークだ。1月8日付の公共放送ABCが伝えた。

QLD州中部イェップーンに住むクリントン・マイルズさんはこのほど、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブック上に「セントラル・クイーンズランド・ビア・エコノミー」を設立した。草刈りなどの庭仕事、冷蔵庫や重い家具の移動、トラックやトレーラーでの引っ越しの手伝い、身の回り品の個人売買などに、仕事量や時価に応じた本数のビールを支払うことを呼びかけている。

オーストラリアでは、ちょっとした仕事を手伝ってもらったり、世話になったりした近所の人や友人に、ビールで恩返しする習慣がある。マイルズさんは既にWA州で運営されている同様のサイトにヒントを得たという。伝統的な物々交換のリアルな仕組みをネットに作ることで、新しい人と人のつながりを広めたいとしている。

マイルズさんはABCに「土曜日の朝の仕事を通して(ビールの)6パックで新しい友情が生まれるかもしれない。冷たいビールを飲むためにちょっとした作業を手伝いたいと考える人は、誰でも気軽に(フェイスブックの)ページを利用してほしい」と話している。


NSW州南西部リベリナ地方でのコメ収穫作業(Photo: Sunrice)
NSW州南西部リベリナ地方でのコメ収穫作業(Photo: Sunrice)

コメ6割減産へ

主産地のNSW州南部で水不足

豪農業資源経済科学局(ABARES)がこのほど発表した作柄予想によると、秋に収穫される2016年産のコメの生産量は30万トンと前年比58%減の大幅な減産となる見通しだ。国内のコメのほぼ全量を生産するNSW州南部リベリナ地方で、水不足のためかんがい用水の割当が減少。かんがい用水の価格が高騰したことから、コメ生産者が作付面積を57%減らした。

オーストラリアの稲作は愛媛県出身の高須賀穣氏が約100年前、VIC州に伝えた。現在もオーストラリア産米の主力は日本食に適した短粒米や中粒米となっている。1990年代以降はおおむね100万トン以上の生産量を維持していたが、稲作はまとまった水が必要で干ばつになると影響が大きい。中でも07年〜08年にかけての干ばつは史上最悪と言われ、貯水池が干上がって水の供給が絶たれた。生産量はピークの1%近くまで激減し、オーストラリアからコメ産業がなくなるのではないかと言われた。

その後は降水量が順調に回復したため13年には116万トンとほぼ最盛期の水準まで回復したが、今年はエルニーニョ現象の影響で再び水不足に見舞われている。ただ、飼料用ソルガムや綿花は順調で、コメを合わせた「夏作物」全体の生産量は前年度比4%減にとどまると予想されている。

一方、「サンライス」の商標で知られるコメ流通大手、ライスグローワーズ・リミテッドは、オーストラリア証券取引所(ASX)への新規上場(IPO)を目指している。生産者が議決権付き優先株を持つ協同組合だが、干ばつの影響が大きい国内生産に頼らず、商社として食品の輸出入や海外で収益を上げてきた。IPOで得られる資金でいっそうのグローバル化を図る。株主総会の承認を経て、4月に上場する計画だ。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る