サーフィン大会「第20回レトリック・カップ」レポート

日本人による日本人のための、20回目を迎えたサーフィン大会

レトリック・カップ


3月12日、ブロードビーチでサーフィンの大会「レトリック・カップ」が、ビギナー、ウィメンズ、オープン、プロ&アマチュアの4クラスに分かれて開催された。同大会はサーファーズ・パラダイスのサーフ・ショップ「レトリック」が主催し、日本人による日本人のための大会として親しまれ、今年で20周年の記念大会を迎えた。レトリックのオーナーShinさんに、同大会の歩みや今後の展望を伺った。また、同大会に招待されたロング・ボードとショート・ボードの2人の全日本チャンピオンからもコメントをもらうことができた。

レトリック・カップの20年を振り返る

大会を主催する「レトリック」はサーファーズ・パラダイスにあるサーフ・ショップで、ゴールドコーストに来るサーファーは必ず訪れるほどの有名店だ。

レトリック・カップは、Shinさんが伝説のサーフ・ボード職人(シェイパー)でオーストラリアでは第一人者と言われる、ネビル・ハイマンさんのサーフ・ショップ「ネブ・フューチャー・シェイプス」で働いていたことが縁となり始まった。

20年前のゴールドコーストは、海外旅行ブームに乗って経済的に豊かな日本人が多数押し寄せ、現地では我が物顔をし、一方で当時それほど豊かではなかった一部のオージーたちは少なからずその状況に反感を抱いていたようだ。例えば、サーフィンでは「ワン・マン・ワン・ウェイブ」と言って1本の波には1人しか乗れないという絶対的なルールがあるが、「前乗り」というわざと割り込むようなマナーを無視した危険な行為で嫌がらせをする地元の人もいた。

また、地元サーファーとの良好な関係を築けていなかったことに加え、当時の日本人サーファーの全体的なレベルも発展途上だったこともあり、日本人が安心してサーフィンを楽しめる大会を企画したいと、Shinさんはその状況の中で考えた。

この趣旨に賛同したネビルさんは「ネブ・サーフィン・カップ」を開催し、大会のサポートを行った。そして10年後に大会名称を「レトリック・カップ」と変更し、今年で10年目、前身の大会と合わせて20周年を迎えることになった。

運営に奔走したレジェンドたち。左から、レトリックのKazu、「スーパーブランド」シェイパーのアダム・スパロー、スケート・ボード・ブランド「Phrunt」の代表スティーブ・サリバン、伝説のシェイパー、ネビル・ハイマン、そしてレトリックのShin(敬称略)
運営に奔走したレジェンドたち。左から、レトリックのKazu、「スーパーブランド」シェイパーのアダム・スパロー、スケート・ボード・ブランド「Phrunt」の代表スティーブ・サリバン、伝説のシェイパー、ネビル・ハイマン、そしてレトリックのShin(敬称略)

Shinさんは「レトリック・カップは多くの人のサポートがあったからこそ開催でき、今まで続けてくることができました。ネビル氏を始め一流のシェイパーや、オージーのプロ・サーファーたちが協力し、スポンサー企業も集まり、テレビ局が取材に訪れるほど認知度を持つ大会になりました」と語る。そして「大会を続けたからこそ、ローカルも日本人もお互いをリスペクトする、気持ち良い関係を築けたことが何よりもうれしいです」と胸を張る。

サーファーたちによる熱い闘いが繰り広げられると同時に、応援する人も思い思いにハッピーな1日を過ごしていたのがとても印象的だ
サーファーたちによる熱い闘いが繰り広げられると同時に、応援する人も思い思いにハッピーな1日を過ごしていたのがとても印象的だ

レトリック・カップは日本人だけが参加できるサーフィンの大会として、カリフォルニアに次いで世界で2番目の規模にまで成長し、オーストラリアのサーフィン業界の中でも有名な大会になった。かつてレトリック・カップに出場した選手が、現在プロ・サーファーとしてオーストラリアで活躍している姿を見ると感慨深いとShinさんは言う。「来年、そして再来年と大会を続けることで、世界に通用するようなサーファーをたくさん輩出したい」と力強く話してくれた。

2人の全日本チャンピオンが来豪

2016年日本プロサーフィン連盟(JPSA)のロング・ボードのチャンピオンTaiki選手(左)と、ショート・ボードのチャンピオンのArashi選手(右)。忙しい中、2人のチャンピオンは最高の笑顔で質問に応じてくれた
2016年日本プロサーフィン連盟(JPSA)のロング・ボードのチャンピオンTaiki選手(左)と、ショート・ボードのチャンピオンのArashi選手(右)。忙しい中、2人のチャンピオンは最高の笑顔で質問に応じてくれた

20回目の記念大会に合わせて、日本からプロ・サーファーが招待された。

Taiki(森大騎)選手は2016年のロング・ボード男子のグランド・チャンピオンだ。「レトリック・カップは初めての出場でしたが、オーストラリアのサーフィンの中心地でビーチを貸し切って行われる大会に出場できて光栄です。楽しかったのと同時に、日本のプロ・サーファーとして出場したことの緊張感もありました。この大会の後にもバリの大会に出場予定ですが、レトリック・カップで試合の勘を取り戻すことができました」と話す。

同じく招待選手のArashi(加藤嵐)選手は同年のショート・ボード男子のグランド・チャンピオン。「ゴールドコーストは波が良くて、水もきれいで温かく、長い距離で波に乗れるのが良いですね。日本人主催の大会に出場できることがうれしいです。大会の規模が大きく人も多いので、出場するにしても、見るにしてもとにかく楽しかったです」と話してくれた。

2人のチャンピオンがそろって出場し、大会を大いに盛り上げてくれた。また何よりも、レトリック・カップに参加したことを誇りとし、これからの活躍に生かしたいと語ってくれた。

Rhetoric
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