気候変動対策めぐって自由党内の意見対立露出

「連邦閣僚はマット・キーンなんて知らない」と首相

 ブッシュファイアのさなかにハワイに家族で休暇旅行に出かけ、批判を受けてあわてて帰国したスコット・モリソン連邦首相の発言はその後NSW州自由党内から、「モリソン首相は自分の身を守るためにベレジクリアンNSW州首相をいけにえにしている」と批判された。

 今度は、マット・キーンNSW州環境相が、「積極的な気候変動対策を求める自由党議員が増えており、保守派連邦閣僚の中にもいる」と発言したところ、モリソン首相が口をきわめて反論した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 1月20日朝、ABCラジオに出演したモリソン首相はキーン発言を「使い古した言いぐさだ。連邦閣僚はマット・キーンなんて名前も知らないだろう。彼は自分の言っていることも分かってないんだ。連邦内閣でやっていることなど何も知らないだろう」と反論している。

 さらに、「連邦閣僚は誰もキーンに気候変動対策のことなど話していない。何を言っているのかまったく分からない。マットはハザード削減を考えていればいい。排出量削減は私が考える」とも語っている。

 1月19日、スカイ・ニューズに出演したキーンNSW州環境相は、「連邦政府の閣僚級が与党保守連合の気候変動政策に懸念をいだいている。その閣僚級は中道派でもなく、自由党右派からも現れている。なぜなら今や選挙区民さえ対策を望んでいるからだ。選挙区民が議員に、我が国の環境を守ってくれと要求しているからだ」と語った。

 しかし、キーン大臣同僚のジョン・バリラロ州副首相は、「キーン発言は少しも助けにならない。NSW州政府の意見でさえない。マットには言いたいことがたくさんあるが、今は復興に専念したい」と語っている。バリラロ副首相は産業通商大臣を兼ねており、キーン環境相とはしばしば対立している。しかし、バリラロ州副首相もブッシュファイアが燃え盛っている2019年末に休暇を取り、イギリスに出かけており、批判を受けている。

 2019年11月にも、バリラロ副首相が、「ブッシュファイアは国立公園内のハザード削減が十分でないからだ」と発言し、キーン大臣が、「ブッシュファイアを国立公園敵視の材料に使うべきでない」と対立している。

 ブッシュファイア専門家はいずれも「ハザード削減は必ずしもブッシュファイア対策には有効ではない」との見解を出している。
■ソース
Prime Minister slaps down NSW Environment Minister over climate change comments

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