マッケンジー氏の大臣行為に違憲疑惑と法学者

スポーツ交付金で大臣に受給団体選定権なし

 シドニー大学の憲法学者が、「ブリジット・マッケンジー・スポーツ大臣(当時)には、憲法に照らしてスポーツ振興助成金給付団体を決める権限はなく、マッケンジー氏の行為は違憲」との判断を明らかにした。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 アン・トゥオミー教授は、「連邦は憲法下でその権能が限定されており、スポーツには及んでいない。従って、マッケンジー大臣には1億ドルのコミュニティ・スポーツ交付金プログラムで決定する権限が憲法で認められておらず、また、そもそもスポーツ交付金プログラムの全過程に違法性がある」と分析している。

 トゥオミー教授は、「交付団体選定権はSports Australia法に基づいて、Australian Sports Commissionに与えられており、従って、交付金に関して大臣が最終的決定を行うことができたのかということについて、現実にやや問題があるということだ」と語っている。

 マッケンジー氏は現在は農相を務めているが、スポーツ大臣時代にAustralian Sports Commissionの推薦する団体を拒否し、他の団体に交付するなどを大臣権限で決めており、連邦の会計検査院長が、「受給団体が異常にマッケンジー氏の選挙事務所で接戦区や目標区と指定した選挙区に偏っている」との報告書を提出した。そのため、野党労働党だけでなく、ポーリン・ハンソン上院議員もマッケンジー大臣辞職を要求するなどマッケンジー批判が強まっている。さらには、スコット・モリソン連邦首相の選挙区にあるサッカー・クラブが、交付の決まる何週間も前に、「連邦スポーツ交付金決まる」と自慢していたことが明らかにされている。

 マッケンジー氏は、「大臣の任意裁定権がガイドラインに定められている」として大臣行為の正当性を主張している。

 トゥオミー教授はさらに、スポーツ交付金プログラムそのものの合憲性にも触れ、2014年にQLD州の学校生徒の父親が、連邦の学校付き聖職者制度を連邦高裁に訴えた際の高裁判決を引用し、「連邦議会で認められるか、または憲法に定めがない限り、連邦政府が州立の学校のそのような制度に支出することはできない」旨の判決があった、として、連邦政府のプログラムの違憲性をほのめかしている。
■ソース
Bridget McKenzie didn’t have legal power over sports grants, law expert Anne Twomey says

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