マルディ・グラ2021 見どころ&歴史ガイド

マルディ・グラ2021
見どころ&歴史ガイド

2〜3月は、オーストラリアの夏の恒例イベント「シドニー・ゲイ・アンド・レズビアン・マルディ・グラ」で、ジェンダーの多様性と自由を分かち合おう。イベントの目玉となるパレードと、マルディ・グラの歴史について紹介する。

開催日

2/19(金)▶3/7(日)

今年のテーマ

43年目となる今年のマルディ・グラのテーマは「RISE(立ち上がる、昇る)」。干ばつや森林火災、洪水、世界的なパンデミックなどの困難を経験する中で、マルディ・グラは逆境にある人びとやコミュニティーに寄り添い、愛をシェアし、共に立つというメッセージを掲げている。

マルディ・グラとは?

「LGBTQI」は、同性愛や両性愛者、トランスジェンダー、クィア、インターセックスなど、既存の性の在り方や役割にとらわれない人びとを表す言葉。最近ではより多様性のある「LGBTQI+」という表現も使われる。毎年マルディ・グラのシーズンには、LGBTQI+の象徴であるレインボー・フラッグがシドニー市内外にあふれ、オーストラリアの多様性を感じさせてくれる。ジェンダーや属性にとらわれず、どんなときも共生する社会の在り方を、マルディ・グラのパレードなどを通して感じてみよう。

公式ウェブサイト

www.mardigras.org.au
※チケット料金には発券手数料が別途掛かることがあるため、詳細は購入時に確認を。また、新型コロナウイルスの影響により、イベント日程、内容などが変更される可能性がある。当記事は1月上旬時点の情報を掲載。

オーストラリアのLGBTQI+とマルディ・グラの歩み

  • 1960年代〜

    同性愛の権利を求める組織が発足

    18世紀にイギリスの法体系が持ち込まれて以来、オーストラリアでも同性愛は違法行為とされていた。同性愛者はバッシングや暴力、逮捕、雇用差別の抑圧下にあり、アイデンティティを隠す人が多かった。しかし1960年代後半から、ゲイやレズビアンの人権保護団体の発足に伴い、政治的議論も次第に活発化していった。

  • 1975年

    同性愛を「違法」から「合法」へ

    72年の警官によるゲイ男性殺害事件から世論が高まり、SA州は75年、男性間の合意のある性的行為を国内で最初に合法化。翌年から他州もそれに続き、NSW州は84年に実現。最後にTAS州で97年に関連法が廃止されたことで、オーストラリア全土で同性愛は「合法」になったが、差別やホモフォビア(同性愛嫌悪)が消えたわけではない。

  • 1978年

    マルディ・グラの始まりは抗議デモ

    シドニーのダーリングハーストで6月24日、同性愛者とその支援者ら数百人が同性愛差別に抗議するデモ行進を決行。参加者は出動した警官による嫌がらせや暴行に抵抗し、53人が逮捕され、新聞に住所などの個人情報を掲載された。これがマルディ・グラのパレードの始まりとなった。

  • 1979年

    自由と権利を求める動きは続く

    抗議運動は更に加熱し逮捕者が続出したが、最終的にNSW州議会が抗議者の逮捕を認める法律を廃止。79年のパレードには3000人が参加した。6月開催では寒さのため着飾ることが難しく、81年からは夏の開催になり、80年代後半には20万人以上の観客を動員するビッグ・イベントに成長。

  • 1991年

    同性カップルもパートナー・ビザ対象に

    移民法が改正され、それまで対象でなかった同性カップルもパートナー・ビザの申請が可能になった。

    2〜3月のマルディ・グラの時期にシドニーの街中に登場する、ATMならぬ「GAYTM」。ANZ銀行は同イベントの主要スポンサーの一つで、例年パレードにも参加している
    2〜3月のマルディ・グラの時期にシドニーの街中に登場する、ATMならぬ「GAYTM」。ANZ銀行は同イベントの主要スポンサーの一つで、例年パレードにも参加している。

  • 1998年

    20周年には特別な参加者も

    78年のデモ抗議者「78ers(セブンティー・エイターズ)」200人がパレードで行進し、マルディ・グラの20周年を祝った。同年から警察も行進に参加。パレードの経済効果は9,900万ドルといわれた。

    マルディ・グラの起源となった1978年のデモ行進の参加者は、「78ers」として今もパレードに参加し喝采を浴びる。当時は20代の若者だった人が多く、重要な歴史の生き証人だ
    マルディ・グラの起源となった1978年のデモ行進の参加者は、「78ers」として今もパレードに参加し喝采を浴びる。当時は20代の若者だった人が多く、重要な歴史の生き証人だ。

  • 2004年

    同性カップルが養子を持つ権利を認定

    ACT(オーストラリア首都特別地域)を皮切りに、同性カップルが養子を育てることが法的に認められ、現在ではNT(北部準州)を除く全域で親の性別を問わず養子を持つことができる。

  • 2013年

    聖地に作られた虹色の横断歩道

    マルディ・グラ25周年を記念し、ダーリングハーストにレインボー・クロッシング(虹色の横断歩道)が登場。イベント終了と共にNSW州政府が横断歩道を元に戻すと強い批判が起こり、その後、近隣に別の虹色の横断歩道が設けられた。

    パレード開催地のダーリングハーストの隣、サリー・ヒルズにある現在のレインボー・クロッシング。元の設置場所であるテイラー・スクエアから徒歩1分の距離に位置する
    パレード開催地のダーリングハーストの隣、サリー・ヒルズにある現在のレインボー・クロッシング。元の設置場所であるテイラー・スクエアから徒歩1分の距離に位置する

  • 2016年

    「あの日」の参加者への謝罪

    NSW州議会、フェアファクス社、警察は、1978年のデモ参加者への対応について、正式に謝罪と後悔のメッセージを伝えた。

  • 2017年

    同性婚に”イエス”、婚姻法が改正

    同性婚の法制化をめぐり、郵便調査で国民の61.6%が「イエス」と回答。これを受け婚姻法が改正され、世界で24カ国目の同性カップルの結婚が可能にな国になった。

  • 2021年

    コロナ禍での開催

    例年、マルディ・グラのオープニング・イベントに位置付けられ、多くの人で賑わう「フェア・デー」。2021年はCOVID-19の影響を考慮し、残念ながら開催見送りとなった。

    例年、マルディ・グラのオープニング・イベントに位置付けられ、多くの人で賑わう「フェア・デー」。2021年はCOVID-19の影響を考慮し、残念ながら開催見送りとなった。

Mardi Gras Parade マルディ・グラ・パレード

マルディ・グラ・パレード 新会場でグレード・アップする目玉イベント

新会場でグレード・アップする目玉イベント

虹色の旗を振るクールなバイク集団や、衣装の長い裾を翻して目を引くきらびやかなドラァグ・クイーンなど、約5000人による豪華なパレードは毎年、大きな感動を人びとに与えている。マルディ・グラの代名詞ともいえるパレードはこれまで、シドニーCBDに近いダーリングハーストの公道で行われるのが伝統だったが、今年は新型コロナウイルスの影響でシドニー・クリケット・グラウンド(SCG)に会場を移して開催。前売りチケット制の指定席での観覧なので、場所取りに苦労することなく楽しめる。公共放送SBSでもパレードの模様を放送予定だ。

●会場:Sydney Cricket Ground (Driver Ave., Moore Park NSW)
●日時:3月6日(土) 6PM
●料金:大人$20、コンセッション$15、4人グループ$50
●Web:mardigras.org.au/events/parade

写真で見る2020年までのパレード

ダーリングハーストの公道を1.7キロにわたり行進した例年のマルディ・グラのパレードには、約30万人の観客が訪れ、沿道は歓声であふれた。パフォーマーやダンサーに加え、先住民族、カウンシル、交通局、救急隊、警察などのグループの行進も見ものだ。

ダーリングハーストの公道を1.7キロにわたり行進した例年のマルディ・グラのパレードには、約30万人の観客が訪れ、沿道は歓声であふれた。パフォーマーやダンサーに加え、先住民族、カウンシル、交通局、救急隊、警察などのグループの行進も見ものだ。
Photo by Jeffrey Feng

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