弁護士事務所の選び方(前編) – 身近な法律問題

もっと知りたい!身近な法律問題

法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第17回:弁護士事務所の選び方(前編)

オーストラリアにおける法律問題を解決する上で、弁護士は頼もしい存在です。ご自身で調べて解決することのできない問題も、弁護士に相談することですぐに解決する場合も多くあります。その一方で、多くの方にとって弁護士に相談することは初めての経験であり、どこの法律事務所に行くべきか、どの弁護士に相談すべきか判断するのは難しいものです。

そこで、弁護士に依頼する際に押さえておくべきポイントを弁護士の視点から2回にわたってお伝えします。

大手法律事務所と中小規模の法律事務所の違い

まず、万国共通して基本的に優秀な人材は中小よりも大手に偏ることがあります。とはいえ、必ずしも大手法律事務所が中小の法律事務所よりも勝っている訳ではなく、オーストラリアの弁護士業界では役割分担が存在します。

例えば、大手法律事務所は多国籍企業や上場企業を顧客として抱えており、大型案件やプロジェクト型案件については独壇場(どくだんじょう)となっています。もちろん、個人が大手法律事務所に依頼をすることもできますが、ある程度規模の大きな案件でなければ採算が取れない場合が多く、依頼を受けてもらうこと自体難しいでしょう。

一方、中小規模の法律事務所は小規模以上の案件を主に扱い、大手法律事務所にはない独自のネットワークや蓄積された知識を持っています。

従って、大手だから安心ということではなく、それぞれの依頼内容により得手不得手があると認識しておくと良いでしょう。ドラマ『白い巨塔』をご覧になった方は理解しやすいと思いますが、中小法律事務所の弁護士の方が時間の融通が利き、場合によっては熱心に業務を遂行してくれます。すなわち、結局は人次第であると言えます。

オーストラリアで日本人弁護士を選ぶ注意点

また、オーストラリアで日本人弁護士を選ぶ際に必ず確認して頂きたいことは、その弁護士が業務を実際に担当するかどうかです。よくあるケースとしては、日本人弁護士が窓口となり実質は別の弁護士が担当する場合。この場合、弁護士費用が重複して発生します。かといって、その窓口となった日本人弁護士を担当から外してしまうのであれば、最初からオーストラリア人弁護士に依頼すれば良い訳ですから、依頼したクライアントからしてみれば、この流れは理解し難いものです。ですから、正式な依頼の前に誰が案件を担当するのか必ず確認しておきましょう。


弁護士:神林佳吾(神林佳吾法律事務所代表)
1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後12年以上にわたって訴訟を中心に応対

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