弁護士事務所の選び方(後編) – 身近な法律問題

もっと知りたい!身近な法律問題

法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第18回:弁護士事務所の選び方(後編)

前回に続き、弁護士に依頼を掛ける際のポイントを弁護士の視点からお伝えします。オーストラリアにおける法律問題を解決するにあたり、弁護士は頼もしい存在ですが、ほとんどの方にとって弁護士に相談するということは初めての経験であり、どこの法律事務所に相談するべきか、どの弁護士に相談するのが合理的かを判断するのは難しいものです。そこで、以下のポイントを考えてみましょう。

若手弁護士とベテラン弁護士

弁護士の能力はキャリアと経験に加え、弁護士としての姿勢や生き様によって左右されます。特に現在のように情報の変化の早い時代においては、過去の知識と経験の上にあぐらをかいていたのでは数年で若手に追い抜かれてしまうものです。また、案件の争点に技術的な特異性がある場合には、弁護士にある程度その技術を理解する能力が必要です。弁護士にその能力が無く、また準備さえも怠るような場合は、いくらその弁護士に法知識があったとしても技術論争の段階で負けてしまいます。

若手弁護士は経験こそありませんが、それを補ってあまりある熱心さとフットワークの軽さがあれば、ベテラン弁護士をしのぐ場合もあります。弁護士を選ぶ際にはキャリアと経験だけでなく、向上心があり、研究熱心かを見てみると良いでしょう。

弁護士の経験年数について

弁護士は必ずしも20代前半で任官しているとは限らないため、年齢だけで弁護士の経験年数を判断することはできませんが、学歴や経験がセールス・ポイントになる場合には法律事務所のウェブサイトに公表されていますので参考にすることができます。

一般的には、弁護士として10年以上のキャリアがあれば、一般的な事件については最低限のノウハウは身に付けていると言えます。事件の見通しについてもある程度は判断できるため、見通しを誤って後で難渋する確率は低いといえます。それよりも経験の浅い弁護士の場合は、事件の見通しという意味でやや不安があることは事実ですが、きちんとした調査能力と熱意があればその点を補うことは可能です。

10年以後は、基本的には経験年数が多ければ多いほどノウハウが蓄積されていると考えて良いですが、前述のように、弁護士としての姿勢や取り組み方で能力に開きが出てきているのも事実です。日本人の方には聞きにくい事柄と思われているようですが、過去に同様の案件を取り扱ったことがあるか、自信のある弁護士ほど余裕のある回答が返ってくると思いますので、こういった点も遠慮なく問い合わせてみるのが賢い選び方だと言えます。


弁護士:神林佳吾(神林佳吾法律事務所代表)
1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後12年以上にわたって訴訟を中心に応対

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