クオリファイド・ウィットネスと公認翻訳 – 身近な法律問題

もっと知りたい!身近な法律問題

法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第19回:クオリファイド・ウィットネスと公認翻訳

オーストラリアでは契約書や申請書類にサインをする際に「ウィットネス(Witness)」のサインが必要となる場合があります。また、日本から取り寄せた書類を提出する際に「アクレディッティド・トランスレーション(公認翻訳/Accredited Translation)」を求められることがありますが、これらの手続きはどちらも日本ではなじみのないシステムですので、日本人の方からアドバイスを求めらることが多々あります。今回は上記2点についてご説明します。

契約書のサインと執行について

まず、サインを頂く際によく聞かれるのは、英語で署名する必要があるかどうかです。これは漢字でもローマ字でもカタカナでも構いません。サインの形式は名前だけでも、イニシャルだけでも、ニックネームでも構いませんし、たとえ、それが「絵」であっても問題はありません。ただし、サインは毎回同じものを使う必要がありますので、あまり凝ったものよりも書きやすいものが良く、またパスポートのものと統一しておくのが確実です。

書類によって必要となる「Witness」というのは、署名をする際の立会人のこと。立会人はパスポートなどの身分証明書から署名者の本人確認を行った上で、署名者本人が立ち会い人の面前で書類にサインをしたことを確認するという目的で書類にサインをします。

通常、「Witness」は契約当事者などと利害関係の無い、18歳以上の方であれば誰でも問題ありませんが、裁判所や公的機関などに提出する書類では、「クオリファイド・ウィットネス(Qualified Witness)」という、オーストラリアの弁護士資格保有者や「ジャスティス・オブ・ザ・ピース(JP:Justice of the Peace)」など特定の公的資格を持った方の立ち会いが必要です。「Qualified Witness」が身近にいない場合は、大型ショッピング・センターなどでJPのサービスが無償で受けられるコーナーが設けられていますので活用しましょう。

「Accredited Translation」について

オーストラリアでは英語以外の言語で書かれた海外の書類を法的に有効なものとするにあたり、自分や友人などではなく、“公平”かつ“一定水準以上の翻訳技術”が保証された「NAATI」認定資格を有する翻訳者のみが公認翻訳を許可されています。「NAATI」とは、オーストラリア通訳・翻訳資格認定機関(National Accreditation Authority for Translators and Interpreters)の略で、翻訳者と通訳者の国家資格の認定を行う機関です。日本の戸籍や運転免許証などの公認翻訳が必要な場合は、それらを取り扱っている業者に依頼するか、直に公認翻訳士にコンタクトを取ってみてください。

なお、公認翻訳士は「NAATI」のウェブサイト(Web: www.naati.com.au)から検索できます。


弁護士:神林佳吾(神林佳吾法律事務所代表)
1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後12年以上にわたって訴訟を中心に応対

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る