オーストラリアの離婚手続きQ&A – 身近な法律問題

もっと知りたい!身近な法律問題

法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第23回:オーストラリアの離婚手続きQ&A

オーストラリアの家族法である「Family Law Act 1975連邦法」では「離婚」について、夫婦が1年以上別居している状況で、“夫婦生活が完全に破綻しており”、“将来的に夫婦生活が修復する見込みが認められないこと”と定義して、「婚姻関係の解消」、すなわち離婚を認めていることを過去のコラムで解説しました。

オーストラリアの離婚手続きは、日本のものとは大きく異なりますので、日本人の方からよくある質問や、頻繁に誤解されている内容などをQ&A方式でまとめてみたいと思います。

離婚する時に何を決めたら良いか

Q. オーストラリアで離婚する時に必要な手続きにはどのようなものがありますか?

A. 一般的には離婚を成立させるための申請手続きの他に、婚姻財産の分配、配偶者の扶養費、子どもの養育費などの合意事項を取り決める必要があります。
 子どもの養育に関しての取り決めは「Parenting Plan」という計画案か、裁判所の判決を取得して取り決める「Consent Order」のどちらかを選択する形が一般的です。
 簡単に言うと、離婚時の手続きには、“離婚”、“財産分与”、“養育”の3つのカテゴリーが別々に存在しており、それぞれに取り決めが必要となります。

書類にサインする時は弁護士に相談した方が良いか

Q. 離婚する相手から英文で書類が届き、「これにサインするように」と言われました。正直、何が書いてあるのか明確には分かりませんが、署名しても大丈夫ですか?

A. 通常、契約や取り決めというものは、その書面に署名同意することで発生する義務と責務を理解した上で行わなければならないものです。ですから、何が書いてあるのか分からない状態で署名することは賢明ではありません。
 弁護士に相談することが最善ですが、そこまでする必要があるかどうか分からないということでしたら、まずは英語が得意な人に相談して翻訳してもらいましょう。老婆心かもしれませんが、その書類があなたの認識通りの内容という保証はなく、ひょっとしたら全然違う内容の契約書かもしれません。
 受け取った書類を翻訳し、きちんと内容を理解してから署名されることをお勧めします。


弁護士:神林佳吾(神林佳吾法律事務所代表)
1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後12年以上にわたって訴訟を中心に応対

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