「大京オーストラリア」に聞く豪州でのマンション開発と市場動向

大京グループ現地法人「大京オーストラリア」に聞く

豪州でのマンション開発と今後の市場動向

2017年2月に完成予定のマンション「モード」。画像はいずれもイメージ
2017年2月に完成予定のマンション「モード」。画像はいずれもイメージ

かつてオーストラリアに進出し、25年にわたり住宅開発やホテル、ゴルフ場などのリゾート開発を行ってきた大京グループ。同社は2006年に撤退したものの、14年にオーストラリアへ再進出。現在、ブリスベンを拠点に事業を展開し、地元のディベロッパーとニューステッドに建設中のマンション「モード」が完成を目前に控えている。そこで大京オーストラリア株式会社の代表、森博氏に同社のマンション開発に対するビジョンや今後の展開、不動産市場の将来などを伺った。

大京グループについて

日本のマンション開発大手で、ライオンズ・マンションでも有名な大京グループ。14年には、ブリスベンに現地法人大京オーストラリア株式会社(以下、大京オーストラリア)を設立した。

母体である株式会社大京(本社:東京都渋谷区)は、マンション開発の他、マンション管理、ゼネコンや不動産仲介、リフォームなど、ワン・ストップ・サービスを手掛けるグループ企業。マンション管理の分野では50万戸を超える物件を管理し、日本一の規模を誇る。

大京グループは日本の人口減少や、経済の先行きなどから10年、20年先を視野に海外進出を果たしており、台湾、香港そしてオーストラリアの3カ所に現地法人を設立。海外進出に当たり、アジアを中心に100以上の国と地域を調査し、法制度やインフラの充実など進出する条件がクリアという理由からオーストラリアへ再進出を果たすことになった。

オーストラリア各都市の中からブリスベンに拠点を構えた理由には、QLD州の地理的な条件や不動産価格が急騰していないこと、人口が増加している点や住宅供給が安定していることなどが主な理由として挙げられる。またシドニーやメルボルンでは既に競争が激化しており、進出するタイミングとしては遅すぎたこともある。そのためオーストラリア進出の入り口として最適と判断したのがブリスベンだ。

台湾と香港は日本の不動産を投資家に販売・仲介するインバウンド事業を行っているが、大京オーストラリアはマンション開発を中心事業としている。

大京オーストラリアの事業

大京オーストラリアは現在、地元ディベロッパーのディバイン社と共同でマンション建設事業を行っている。同社のオーストラリアでのマンション開発の第1弾として、おしゃれなカフェやブティックが立ち並ぶ川沿いの閑静な住宅街ニューステッドに、地上12階、地下3階建ての「モード」を建設中だ。

同物件は、地元でも人気が高いニュー・ファーム地区に近く、屋上にはブリスベンの市街地が一望できるルーフ・トップ・ガーデンもある。スーパーなども近くフェリーでブリスベン中心部へ通勤可能な2.5キロ圏に位置し、ロケーションは抜群。全157戸、来年2月に完成予定で、現在は約8割が契約済みとなっている。現在残りの2割の物件も引き続き売り出し中で、例えば1ベッドルームで45万ドルくらいから販売されている。

同社は、本プロジェクトを今後の重要なステップと位置付け、さまざまな問題点を洗い出し、次回以降のプロジェクトに反映させていく考えだ。例えば日本でのマンション開発の場合、グループ会社と協力し大京グループで開発を行っているが、オーストラリアでは建設や販売など地元のパートナーを探しながら行っている。

これは建築基準をはじめ、文化や習慣などが日本とオーストラリアで違うこと、また住宅のニーズが場所によって大きく異なることから、建設する場所のニーズを熟知したパートナーと協力して事業を進め、より良い開発を目指すためである。

今後の展望


大京オーストラリアは、完成を間近に控えた「モード」を皮切りに、今後も同国で積極的な事業展開を図っていく姿勢を示している。だが、マンション開発にはさまざまな課題点もあるようだ。

オーストラリアのマンションは近年、コンパクト化が進み、キッチンやトイレ、家具などには高い機能性が求められている。しかし、品質にこだわり過ぎると価格が上がり買い手は減る。だが、大京が手掛ける以上、譲れないクオリティーもあり、そこのバランス加減は難しい。

そこで段階を踏みながら日本の高品質な商品を取り入れ、「快適、安心、安全」なマンション開発を行うことで、企業価値を高め、ブランド力につなげていくのが同社の狙いだ。アジア圏では日本企業が開発したマンションというだけで売れていくが、オーストラリアではそれが通用しない。だからこそ時間を掛けてステップを踏みながら作り上げていきたいという。

同社によれば、「モード」の購入者の多くはシドニー、メルボルン在住の投資家だ。ブリスベンの物件価格が両都市に比べて安い点や、賃貸にした場合の利回りが有利な点などが主な理由とされる。だが、市場の動きは当然変わるため、次の動向を見定める必要もあるという。

現在、シドニーやメルボルンの住宅市場は供給過多の傾向にある。特にマンション市場は顕著で、ブリスベンも今後、同様の状況になると見られている(ただしブリスベンの戸建て住宅の供給状況は安定している)。

大京オーストラリア株式会社代表の森博氏
大京オーストラリア株式会社代表の森博氏

一方で今後約2年の間に、住宅供給過多の状況は緩和されるのではないかとの見通しもあるようだ。こうした背景も踏まえ、同社はマンション管理なども視野に、今後の事業拡大のチャンスを広げていくという。

QLD州は人口が増え続けていることから、マンション開発にとっても魅力ある市場だ。そこで大京オーストラリアは、「大京のマンションを買ったら安心だ」と認知されるような存在を目標に、今後も更なる事業展開を図っていくようだ。同社が今後どのように開発を進めていくのか注視していきたい。

Daikyo Australia Pty Ltd
■住所:Level 13, 144 Edward St., Brisbane ■Tel: (07)3221-0414


あわせて読みたい
関連リンク

オーストラリアの
不動産&投資事情 ▶▶▶

不動産業界の老舗「レイ・ホワイト・サーファーズ・パラダイス・グループ」 ▶▶▶

商業物件から住宅まで「バージェス・ローソン・ゴールドコースト」 ▶▶▶

不動産事業も留学手続きも「住友リアルエステート」 ▶▶▶

「大京オーストラリア」に聞く豪州でのマンション開発と市場動向 ▶▶▶

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る