【税とビジネス】スーパーアニュエーションによる節税戦略


スーパーアニュエーションによる節税戦略

豪州も財政難で、自分の老後の資金は自分で貯めておいて欲しい、というのが本音です。そのため、スーパーアニュエーション(以下、スーパー)への拠出による税金の優遇策が出されています。

① 雇用主に頼み、給料の1部をスーパーに払ってもらう。これによりスーパーへの追加払い部分には税金が掛からない。

② 主な収入源が自営業者のみにしか認められていなかったスーパーへの拠出での経費計上。2018会計年度よりこのルールが撤廃され、①のように雇用主に頼む必要がなく、自主的にスーパーに拠出することで経費計上が可能になった。これらに慣れている豪州企業やある程度大きい企業の下で働いていない場合、雇用主が何のことか分からなないために①に対応してくれないことがあったが、そのような人には朗報。

③ 配偶者のスーパーへ拠出することで、540ドルまで税控除(税金が安くなる)を受けられる制度もある。18年度から配偶者の所得制限額が上がり、より多くの人が便益を受けられるようになった。

④ スーパーに拠出することで、豪州政府が半分を最高500ドルまでボーナスとして拠出してくれる制度もある。

これらには収入制限、限度額や条件など多くの細かいルールがあります。

しかし、このスーパーへの拠出での節税ですが、自分のスーパーに入れると15%の税金が取られ、スーパーの残高が減っています。きちんと確認する機会がないのであまり知られていませんが、スーパーの中で実は15%の税金を取られています。1度、スーパーからの明細を見てみると良いかもしれません。つまり、①や②は自分の課税所得(税金の掛かる収入)によってはあまり効果を発揮しません。

スーパーへの拠出は自分のライフ・プランを考えながら行う必要があります。スーパーに入れたお金はごくわずかの例外を除き、65歳になるか、60歳になって引退するまで引き出せません。スーパーへお金を入れる、というのは少なくとも現金が飛びます。つまり、1度入れてしまうと、マイ・ホームの購入や子どもの学費などで突然お金が必要になった場合に、現金が足りなくても出すに出せないのです。

また、日本人の方なら、本当に自分が老後まで豪州にいるのか、ということにも関わります。

日本人のそのような背景を知らないオーストラリア人会計士や税金のことが分からないファイナンシャル・プランナーなどにそそのかされて、節税になるからと安易に拠出する前に一考することが大切です。

スーパーアニュエーションを使った節税戦略については、詳しくは専門の税理士にお問い合わせください。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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