「裁判所の炭鉱開発認可停止は悲劇」

アボット首相発言に野党党首が苦言

 アダニ社が政府から開発認可を受けていたQLD州中部のカーマイケル炭鉱開発に対して、連邦裁判所が、開発認可を停止する判決を下した。この判決を受けて、コモンウェルス銀行が融資を取り消した。この一連のできごとについて、トニー・アボット連邦首相が、「わが国にとって悲劇的だ。炭鉱開発投資の規模や雇用を考えれば、裁判所の決定はまったく困った問題だ」と発言した。この首相発言に対して、「政府の拙速が招いた事態であり、首相発言は司法の独立を脅かす発言」と批判している。

 連邦裁は、「グレッグ・ハント環境相は、2種の危急種、yakka skinkとornamental snakeに関する助言を適切に考慮していなかった」と判断し、認可停止の判決を下していた。

 これに対して、アボット首相は、「アダニ炭鉱のような重大なプロジェクトは役所手続きの問題で妨害されていいものではない。そういう規則がまかり通るようでは、このようなプロジェクトは際限なく妨害を受け、遅々として進まず、わが国にとって危険なだけでなく世界にとっても悲劇的だ。だから、このようなプロジェクトは滞りなく進めてもらわなければならない。プロジェクトが高い環境基準をクリアしたなら直ちに勧められなければならない。国内プロジェクトが高い環境基準を満たすことを望むというのはまったくその通りだし、誰でも裁判に持ち込むことができるというのもまったくその通りだが、これは210億ドルの投資で、1万人の雇用を生むプロジェクトだ。この炭鉱はアダニ社のあるインドにも多大な貢献をするはずだ」と発言した。

 首相発言に対して、ビル・ショーテン労働党党首は、「正当な手続きを踏むのが当然だ。アダニ炭鉱のこの問題は連邦政府が拙速で認可したために司法でつまづいたということだ。落ち着いて、正しい手続きを踏むことが結局長期的には最善の結果を生む。わが国の政府の指導部は、企業家や裁判所ほどにも賢くないことを自ら暴露して見せただけだ」と語った。

 一方、ハント環境相は、「裁判所の認可停止判断は大した問題ではない。単に技術的、手続き上の問題だ。6週間から8週間もあれば対策を立てられる」と語っている。

 この裁判は、マッカイ自然保護グループが2015年早くに起こしていたもので、同グループを代理するスー・ヒギンソン弁護士は、「国内最大になるはずだったこの炭鉱は法的に見通しの立たない状態になっている」と語っている。
■ソース
Blocking Adani coal mine approval ‘dangerous’ for Australia, ‘tragic’ for world: Tony Abbott

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