ウールワース、生産者農家が対立

有名シェフのオリバー板挟み

 国内大手スーパーマーケット・チェーンのウールワースが、イギリスのセレブリティ・シェフ、ジェミー・オリバー氏を起用して新しい広告キャンペーンを展開している。しかし、この「ジェミーズ・ガーデン」キャンペーンには、ウールワースが青果納入業者である生産者農家の全国団体AUSVEGに対して、通常の「マーケティング参加料」に加えてクレートあたり40セントの広告特別参加料を上乗せしている。

 このような参加料はいわば冥加金のようなものだが、AUSVEGはすでにこの広告特別参加料に対する苦情が数多く寄せられているとしており、ある業者の場合には6週間のキャンペーンに30万ドルを支払わされることになるとしている。国内スーパーマーケットはウールワースとコールズの復占状態で実質的に両社の間での自由競争はありえず、競争は納入業者間で成立し、スーパーマーケット両社の間の競争と見えるものも納入業者の負担と報道されてきた。

 そのため、AUSVEGはオリバー氏に窮状を訴えた。これに対して、オリバー氏からは、「ジェミーは、中小生産者が経済的に困窮していると聞いて懸念している。次回、ウールワースとの打ち合わせ時には、この問題を議題にのせ、生産者農家の負担を取り除くことを提案する」と述べている。

 ただし、「ご存じのように、ジェミーは基本的にはウールワースに雇われている立場であり、ウールワースの事業方針を左右する力はない」として、AUSVEGに対し、「オーストラリアの消費者がもっと新鮮な購入し、自分で料理するようになるために、ウールワースに力を貸してもらいたい」と完全に話をすり替えている。

 AUSVEGは、「生産者農家の苦衷はウールワースに対するものであり、オリバー氏に対するものではない。オリバー氏が難しい立場にいることは理解している。しかし、オリバー氏がウールワースの事業方針に影響することはできないという主張は呑めない。彼は、イギリスで酪農農家に対してアンフェアなスーパーマーケットをボイコットするよう消費者に呼びかけたことがある。2012年にオリバー氏が牛乳価格に抗議して『タイムズ』に公開状を掲載したことがある。今回、同じ行動を取ろうとしないことは非常に残念だ。国民が健康的な食事を選び、私たちが新鮮な食品を提供することに向けたオリバー氏の情熱には私たちも共感する」と語っている。

 ウールワース側は、「特別料金は自主的なものであり、強制しているわけではない」と語っている。(NP)

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