アボット首相、アメリカ入りする

気候変動対策でオバマ大統領と対立

 フランスからアメリカ大陸に飛び、カナダのスティーブン・ハーパー首相とはイデオロギー的にも近い保守政治家同士で、ハーパー首相がウクライナ問題でウラジミール・プーチン・ロシア大統領を非難する発言をすると、アボット氏もこれに同調、「プーチンはウクライナに対する弱い者イジメをやめろ」とかなり強い調子で非難し、さらにハーパー氏と「気候変動対策よりも経済を優先する」政策を取ることで意見が一致したことで気をよくしたのか、気候変動対策に反対する国際保守政権ブロックの構想まで飛び出した。

 今回、アボット首相は、Dデー70周年と海外資本誘致をひとまとめにした演説で人々を驚かしたが、フランスでもカナダでも口を開くと「ビジネス」の言葉が飛び出すほどビジネス一辺倒。カナダからアメリカに移動し、ここでもオーストラリアのビジネス・チャンスを売り込み、「オーストラリアはビジネスに開放されている」と繰り返している。しかし、バラク・オバマ米大統領はつい最近「気候変動に取り組む」演説を行っており、「アメリカがようやく動き出した」として、今後世界的に二酸化炭素排出量規制にはずみがつくことが期待されている時だけに、これまでの「他の国が動かない限り、オーストラリア一国が動くのは損だ」という主張からむしろ退行して、気候変動対策に反対する勢力を糾合するというのはいささかという印象を与えることになる。

 先週、オバマ政権が発表した新規制案は、電力部門が2030年までに2005年の排出量を30%削減することを求めることになり、アメリカ政府の機構変動対策としてはもっとも強力なもの。オバマ政権の発表時には、アボット首相が、「オバマ政権の対策案は保守連合政権の直接行動案とよく似ている。私は経済を損なわない対策を支持する」と語っていた。

 ビル・ショーテン労働党党首は、「アボット首相が世界の首脳に混じって、各国首脳が気候変動にどう対策するかを話している時に彼は時代に逆行する発言をしている」と批判している。(NP)

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