幸せワイン・ガイド@オーストラリア「今月の生産者:バトル・オブ・ボスワース&スプリング・シード・ワイン」

幸せワイン・ガイド@オーストラリア

今月の生産者:バトル・オブ・ボスワース&スプリング・シード・ワイン

日常のテーブルに花とワインを

最近はオーストラリアでも、環境や健康に与える影響に配慮したワイン造りが生産者の規模にかかわらず積極的に行われるようになりました。オーガニック農法やバイオダイナミック農法(オーガニック農法の一種で、天体の動きや月の満ち欠けなどに合わせて農作業の日付を決めたり、牛の角や水晶の粉などを使用するなど独特の技法で知られる農法)で造られたワインも、これまでも本コラムで幾つかご紹介させて頂きました。

南オーストラリア州のマクラーレン・ヴェイルは、ワイン用ブドウの栽培に適した地中海性気候、そしてオーストラリアでも先駆けて、オーガニック農法など自然環境に配慮したワイン造りに積極的に取り組んできた産地としても知られています。そんなマクラーレン・ヴェイルで、最初にオーガニック認証を受けた生産者をご紹介します。

マクラーレン・ヴェイル最初のオーガニック認証ワイナリー

今回ご紹介したいのは、「バトル・オブ・ボスワース(Battle of Bosworth)」と「スプリング・シード・ワイン(Spring Seed Wine)」で、マクラーレン・ヴェイルのジョク・ボスワースとパートナーのルイーズによって運営されています。ジョクが父の代からの畑を受け継いでから、徐々に化学肥料や除草剤などの使用を排除し、2001年にマクラーレン・ヴェイルで最初にオーガニック認証を取得したワイナリーとなりました。

黄色い花の秘密

「バトル・オブ・ボスワース」のブランドのロゴにも使われている黄色い花は、サワー・ソッブと呼ばれ、冬の間ブドウの畝(うね)の間に植えられる植物です。色鮮やかな黄色い絨毯(じゅうたん)のように広がり、他の雑草が生えてくるのを防ぐだけでなく虫がブドウに付くのを防ぎ、土壌浸食の防止にもなります。農業では「カバー・クロップ」と呼ばれるもので、除草剤や殺虫剤の使用を軽減するのに有効な技法です。サワー・ソッブは繁殖力が非常に強いため、その色鮮やかな黄色や可愛らしい外観にもかかわらずガーデナーには嫌われる花なのだそうです。冬の間に黄色い絨毯のように畑を覆い、ブドウが再び眠りから目覚める春には朽ちるため、年間を通して畑ではうまくライフサイクルを循環させることができます。

1つのワインに3つの花を

ジョク・ボスワース(右)とパートナーのルイーズ(左)は今年3つ目のブランドを設立するなど精力的に活動を展開している
ジョク・ボスワース(右)とパートナーのルイーズ(左)は今年3つ目のブランドを設立するなど精力的に活動を展開している

バトル・オブ・ボスワースのセラー・ドアは、小高い丘の上にある可愛らしいコテージです。アンティークの家具が並び、壁にはワインのラベルと同じ、花をモチーフにしたアートがあちこちに飾られています。ジョクのもう1つのブランド「スプリング・シード・ワイン」のラベルは、レトロな花の種のパッケージをイメージしたデザインで、スパークリング・ワイン以外の全てのワインにそれぞれ3種類ずつの異なる花の模様が施されています。これは「ワインと同じぐらい、アートをこよなく愛している」と言う、ジョクとルイーズの思いが込められたものです。たとえ同じワインを買う時でも、その時の気分によって異なる花のラベルが選べる楽しさをプラスした可愛いワイン。まさに「花を添えてくれる」ワイン、女性同士の集まりなどにも理想的なブランドです。

もちろんラベルが美しいだけではありません。オーガニックで細心の注意を持って造られたボスワース・ブランドのワインは、どれも奇麗にバランス良くまとまった味わいで、それぞれの品種の良さを存分に感じ取ることのできる物ばかりです。私が個人的に何度もリピートしているのはスプリング・シード・ワインの「フォーゲット・ミー・ノット(勿忘草(わすれなぐさ))」という名前の付いたセミヨン・ソーヴィニョン・ブランと「モーニング・ブライド(朝の花嫁)」という実にロマンチックな名の付いたロゼです。柔らかな口当たりと体に染み込むような優しさが魅力です。

直接ワイナリーから購入することも可能ですし、各種小売店でも比較的手に入りやすいブランドです。実は日本でも買うことのできるワインですので、日本のご家族やお友達などにもぜひお薦めしてみてください。カンガルー島にも新たなセラー・ドアがオープン

実はジョクとルイーズは、今年に入って南オーストラリア州のカンガルー島にも、セラー・ドアをオープンしました。ジョクとルイーズによる3つ目のワイン・ブランド「スプリング・ロード・ワインズ(Spring Road Wines)」の誕生です。今後も2人の活躍に期待が高まります。

ジョク&ルイーズのワイン・ブランド
Battle of Bosworth/Web: www.battleofbosworth.com.au
Spring Seed Wine/Web: www.springseedwineco.com.au
Spring Road Wines/Web: www.springsroad.com.au

*今月のお薦めワイン*
品種の良さを存分に感じられるお薦め銘柄

BYOワイン会に

Battle of Bosworth Shiraz/$28

ランチ、アペリティフに

Spring Seed Wine Forget-me-not
Sauvignon Blanc Semillon/$20

女子会BYOに

Spring Seed Wine Morning Bride Rose/$20


フロスト結子
日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diplomain Wine & Spirits及び日本酒のAdvanced Certificateを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でアシスタント・ワイン・バイヤーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかくおいしそうに書く」がモットー。
Web: auswines.blog.jp

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