星の記憶/福島先生の人生日々勉強

福島先生の人生日々勉強
星の記憶

日が傾き、夕暮れがじわじわと降りてくるころ、早くも街灯りの少ない所では、幾つもの星の瞬きを見ることが出来ます。やがて、闇がやって来て、空から溢れてこぼれ落ちてくるのではないかと思うほどの輝きを放つ星たちに包まれた時、不思議と心が癒されていくのが分かります。私たちは自然の一部なのだなあと実感する瞬間です。もしかすると、それは私たちの体に星々の記憶が刻み込まれているからなのかもしれません。

私たちの体は、骨や筋肉、血管などで出来ています。これらをもっと小さく分解していくと、酸素や炭素、水素、窒素といった元素になります。人間だけでなく、地球上の全てのものが、そして、地球そのものが、さまざまな元素で構成されています。つまり、元素が無ければ、無なのです。存在出来ないのです。それなのに、地球上のどこを探しても、自然界で元素を作り出している所はありません。

では、私たちはどこで生まれたのでしょう。その場所は、宇宙で輝く星の中です。自ら光を放つ星、恒星。恒星は、輝きの内側で、さまざまな元素を合成しています。そして長い年月を経て、ある星は外側から崩れるように、またある星は大爆発を起こして、死を迎えます。しかし、この星の死によって、内部で作られた元素は宇宙空間に散らばります。宇宙空間を漂う元素はやがて集まり、新たな星を形作ります。こうして生まれた星の1つが、地球です。今からおよそ46億年前のことです。

そこからまた長い年月をかけて海の中に小さな生命が誕生し、進化の過程を経て現在にたどり着いたうちの1つが人類です。私たちの体は、かつて宇宙で輝いていた星から受け継いだものなのです。ですから、私たちが何者であろうと全ては星のかけら。宇宙を流れる悠久(ゆうきゅう)の時の中で、生死を繰り返した星たちの記憶が刻み込まれているのです。私たちの故郷は、宇宙なのですね。

星たちが時と共に成長し、やがて死を迎え、星としての姿を失う運命にあるように、星から生まれた私たちも、人間であれ、動物であれ、植物であれ、そこに確かに存在し、移ろい、やがて最期を迎えます。全ては、宇宙の中で循環する大きな命の輪の中にいるのです。いずれ、地球が終わりを迎える時、全てのものは宇宙空間に還ります。そして、長らく宇宙を漂い、やがてまた新しい星の材料となります。私たちは、いつの日か、遠い遠い未来に、星に生まれ変わるのです。

今この瞬間、「自分」として生きている私も、いつか生まれる星の記憶のかけらになるかと思うと、何だか不思議で、有り難く思えてきます。感謝して、生きていきたいと思います。


福島先生の教育指導

教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。32年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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