三心の心得/福島先生の人生日々勉強

福島先生の人生日々勉強

三心の心得

人が生きていくために欠かすことのできない「食事」。食事は、たとえ修行の身であっても、「行」の1つとして重要視される大切な行いです。食事を作って頂くということは、命を頂くことと同義であり、大変にありがたいことです。と同時に、供する者、調理する者の心の在り様も、命に関わる大切な行の要であると言えます。食事を作る者の心得として、「三心」という教えがあります。1つ目は「喜心」、人の喜びを自分の喜びとして人のためになる行いを喜んでする心。2つ目は「老心」、父母の心。親が子を思うように他の人を思いやる心。3つ目は「大心」、山のように高く大きな心、海のように広い心、物事をありのままに見つめるこだわりのない心。

料理に限らず、人のために何かをする際に、嫌々していると、結果もあまり良くありませんし、場合によってはマイナスに働くこともあります。そして、行為をする方もされる方も、共に嫌な思いを残すことが多くなります。

一方で、人の喜びを自分の喜びとして人のためになる行いを喜んでする心、いわゆる奉仕の心を持ってなされる行いは、する方もされる方も、共に気持ち良くその行為をし、また受け取ることができます。この奉仕の心が「喜心」です。喜心により、自己の喜びが他人にも伝播し、周囲の人達に喜びの輪が広がります。

「老心」は、親が子を思うように他の人を思いやる心です。親が子を心配する際、考え過ぎではないかと思えるほど細かい所まで気をもんで心配しますが、それと同じように他の人に対しても十分過ぎる程十分に、いわゆる老婆心と言われる程細かい所まで気配りをする。老心とは、懇切丁寧な思いやりです。

「大心」は、文字通り大きな心ということ。山のごとく、空のごとく、海のごとく、大きくゆったりとして、不動で、深く、何のこだわりもない心。生活の中においては、常にニュートラルで臨機応変、公平な心でいるということかと思います。簡単と思える仕事でも侮らず、難儀な仕事でもひるまず、非難されても失意に沈まず、誉められても有頂天にならず、偏らない心、寛大な心でいることです。

日常全ての行為は、心掛け1つで立派な修行となります。「事を作し務を作すの時節は、喜心・老心・大心を保持すべき者なり」

この典座教訓の最後のまとめとされている「三心」は、人が人のことを考え、行動する際の心得として念頭におくべき、ありがたい教えです。難しいからこその修行です。日頃より感謝と慈悲の心を忘れず、この「三心」を心掛けて人に接し、純粋で雑念のない、思いやりのある行為を選び取る努力をしましょう。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。32年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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