【10月】最新BOOKトレンド・チェック「真夏の夜に読みたくなる本」他

読書好き集まれ!
最新BOOKSトレンド・チェック
協力:オーストラリア紀伊國屋書店(Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney)

本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードとともに読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。

10月にシドニーで開催される「グッド・フード・マンス(Good Food Month)」は、1カ月にわたりにぎわいを見せる食の祭典です。会期中はカリスマ・シェフによるトーク・ショーが行われる他、人気のハット受賞レストランが均一料金のプレフィックス・ミールを提供。市内のハイド・パークではアジア色豊かなナイト・ヌードル・マーケットも開催されます。皆さんも真夏を迎える直前の今月は、世界の食が集まり独特な食文化が息づくシドニーならではの、活気溢れる雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。

今、売れている本は?ベストセラー・ランキング(2017年9月9日~15日)

■文庫ベストセラー

1 君の膵臓をたべたい 住野よる 双葉社
2 アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎 幻冬舎
3 満願 米澤穂信 新潮社
4 豆の上で眠る 湊かなえ 新潮社
5 あきない世傅 金と銀(四)貫流篇 高田郁 角川春樹事務所

■新書ベストセラー

1 死ぬほど読書 丹羽宇一郎 幻冬舎
2 未来の年表 河合雅司 講談社
3 戦争と平和 百田尚樹 新潮社
4 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 磯田道史 NHK出版
5 定年後 楠木新 中央公論新社

今週のトレンド・キーワード 『真夏の夜に読みたくなる本』

日本人は何を恐れてきたのか

『現代語で読む「江戸怪談」傑作選』
堤邦彦
祥伝社(価格:A$18.15<会員価格:A$16.34>)

かつての夏の夜には怪談が付き物で、『諸国百物語』『伽婢子』『因果物語』といったタイトルの怪異小説が世に多く出た。「江戸怪談」と称されるこれらを読むことで、日本人がただ異形の怪物に驚くというわけではなく、人間の心の奥底に潜む情念や、その業の深さに戦慄させられるという仕組みについて理解を深められるだろう。

悪意と笑いが背中合わせの不気味さ

『四谷怪談』
廣末保
岩波書店(価格:A$32<会員価格:A$28.80>)

お岩の幽霊で知られる『東海道四谷怪談』が初演されたのは文政8 年で、幕藩体制がその土台から腐り始め、あらゆる既成の秩序が崩れていく時代だった。鶴屋南北は、この崩壊期のエネルギーを忠臣蔵のパロディーの形で描き出した。悪意と哄笑、猥雑と醜悪の織り成す南北のドラマ世界から、崩壊期の精神とその可能性を読み取る。

日本最古の仏教説話集を分かりやすく解説

『日本霊異記』
小泉道
新潮社(価格:A$69.35<会員価格:A$62.42>)

鷲にさらわれた我が子と巡り会えた父親の話、僧をあざける男の口がたちまちに歪んでしまった話、盗み出された仏像が声を上げて泣き叫んだ話など……。日本における因果応報の実例の奇事を示し、善行を勧める日本最古の仏教説話集『日本霊異記』。薬師寺の僧、景戒によって平安時代初期に成立した同漢文書を、小泉道が分かりやすく丁寧に解説する。

ランキングからPick up!


『死ぬほど読書』
丹羽宇一郎

もし自分の無知に気づきたいならば、本を読むのが打ってつけだ。ただし、その読み方にはコツがある。「これは重要だ」と思った箇所は線を引くなり、付箋を貼るなりして、最後にノートに書き写す。ここまで実践することで、初めて本が自分のものとなる。伊藤忠商事前会長であり、元中国大使で、ビジネス界きっての読書家が、本を2倍、3倍にも楽しめる方法を伝授する。

KINOKUNIYA便り

今年の冬はいかがお過ごしでしたか。私は東南アジアから越してきて初めての冬、久々の寒さに震え上がりました。最近は朝晩は冷えるものの昼間は暖かく、確かな季節のうつろいにほっとひと息が出て、道端に咲く花や明るい陽光は、気分を盛り上げてくれます。ともなると、次は夏。暑い季節に日本風に怪談で背筋をぞっとさせる、そんな風情ある涼感の求め方も良いのでは。

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