【特集】子どもにも地球にも優しい「オーストラリアでナチュラル・ライフ」(1/2)

オーストラリアでナチュラル・ライフ

毎日の暮らしの中で何気なく手に取る食料品や、洗剤などの日用品。それらの製品の多くには保存料や着色料などの添加物や、原料に散布された農薬など人体に有害な物質が含まれていることもある。近年では世界中でオーガニックや無添加という考え方も浸透し、もちろんオーストラリアでも家族の健康を守る選択肢は豊富だ。日常の中の「選択」として、よりナチュラルな物を選ぶという視点から、身近な製品、そして日々の生活を見直してみよう。
※記事内の全ての情報は2016年11月現在のもの。

「無添加やオーガニックの食品・日用品」へ ▶▶▶

◆気になる、食品や生活用品の添加物

食べ物をおいしく見せる着色料や香料、化粧品やシャンプーの品質安定や長期保存のために使用される乳化剤や防腐剤など、添加物は私たち現代人の生活の隅々にまで行きわたり、口や肌を通して知らず知らずのうちに体内に取り込まれている。ラベルに明記の上で使用されている添加物はもちろん政府承認済みの成分だが、それは同時に摂取限度量が設定された成分でもあるということ。微量では問題がなくても長年の摂取で体内に蓄積され悪影響を与えることがあるという考えも近年では一般的だ。中には人体の代謝機能では排出できないものもあり、本来体内に入れるべきでない化学物質はアトピー性皮膚炎や内蔵の老化加速の一因になり得るとの意見もある。特に体の基礎が作られる幼児期などは、危険性のある物質はできるだけ避けたいものだ。

日本でも食品の安全性への警鐘は鳴らされているが、化学物質を含まない製品を購入する利便性についてはオーストラリアの方が高いと言えそうだ。ごく普通のスーパーマーケットでもオーガニック製品が売られ、「No preservatives(防腐剤不使用)」「No artificial colours or flavours(人工着色料・香料不使用)」「No GMO(遺伝子組み換え原料不使用)」などの表示を見かける機会も多い。しかし、それらの表示のある製品を意識的に選んでいない限りは、どの国にいても毎日の暮らしの中で添加物を体に入れていることになる。

製品ブランドの知名度やパッケージのイメージ、価格など、購入決定のための要素は多くあるが、製品に含まれる成分については詳しく確認しない、分からないという人も多いのでは。また、添加物が含有されていないとしても本来なら不要な加熱処理をして製品としての保存性を高めるなど、その食品が持つ本来の効能を損なってまで流通に載せられている物も多くあるため、製造方法についてもチェックが必要だ。

まずはパッケージに記載された成分表示や製法を見る習慣を付けることから、家族の体の安全を考える暮らしを始めてみたい。それは同時に、排水口に流しても自然の中で分解されずに生態系を脅かす合成洗剤のような製品を避けることにもなり、環境汚染を食い止めること、つまり暮らしやすい未来を子どもたちに引き継ぐことにもつながるはずだ。

◆成分表示ラベルの見方は?

体に良い物を選びたいと思っても、成分の判断には難しいイメージが付きまとう。最も簡単なのは農薬や化学物質を使わずに作られた証である「Certified Organic(オーガニック認証済み)」マーク付きの製品を選ぶことだが、それが叶わなければ気になる成分だけを避ける方法もある。

オーストラリア政府が食品の安全基準を明記したウェブサイト「フード・スタンダード・オーストラリア・ニュージーランド」(Web: www.foodstandards.gov.au)の消費者向けの食品添加物のページ内には、国内で使用が許可されている添加物のリストがある。添加物には名称の他に3~4ケタの通し番号が付与されているので、食品ラベルに記載された番号と照合し、何のための成分かを知った上で避けることも可能だ。同リストは以下からダウンロードできる。

■Web: www.foodstandards.gov.au/consumer/labelling/Documents/Food%20additives%20-%20numerical%20June%202016.pdf

成分表示ラベルの例

おなじみの清涼飲料「レモン・ライム&ビター」の普通の商品(上:Schweppes社製品)とオーガニックの商品(下:Daylesford & Hepburn Springs Mineral Co.社製品)を比較する。ラベルの記載内容は以下の通り。

▶Schweppes社の製品のラベル。下線部が添加物で「211」は「Sodium benzoate(安息香酸ナトリウム)」と呼ばれる人工化合物で防腐剤・抗菌剤として添加されている。「161b」は「Lutein(ルティン)」、「163」は「Anthocyanins or Grape skin extract or Blackcurrant extract(アントシアニン、ブドウの皮またはブラックカラントの抽出物)」となり、いずれも自然由来の着色料

▶Schweppes社の製品のラベル。下線部が添加物で「211」は「Sodium benzoate(安息香酸ナトリウム)」と呼ばれる人工化合物で防腐剤・抗菌剤として添加されている。「161b」は「Lutein(ルティン)」、「163」は「Anthocyanins or Grape skin extract or Blackcurrant extract(アントシアニン、ブドウの皮またはブラックカラントの抽出物)」となり、いずれも自然由来の着色料

▶Daylesford & Hepburn Springs Mineral Co.社の製品のラベル。主原料はオーガニックであることが分かる。上の製品と異なり、番号表示された成分が含まれていない。「Natural Flavours(天然香料)」にも番号が付いていないので、自然由来かつ国の基準で定められた添加物でない成分ということになる。上と同じく「レモン・ライム&ビター」という名称のドリンクであっても、添加物を使用せずに製造可能ということだ

▶Daylesford & Hepburn Springs Mineral Co.社の製品のラベル。主原料はオーガニックであることが分かる。上の製品と異なり、番号表示された成分が含まれていない。「Natural Flavours(天然香料)」にも番号が付いていないので、自然由来かつ国の基準で定められた添加物でない成分ということになる。上と同じく「レモン・ライム&ビター」という名称のドリンクであっても、添加物を使用せずに製造可能ということだ

◆ナチュラルな暮らしへの第一歩

サラダのドレッシング作りに使うアップル・サイダー・ビネガーは、油汚れなどの掃除に使える他、肌のシミ軽減、美白にも役立つなど万能だ/Organic Apple Cider Vinegar 500ml(About Life、$5.99)
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添加物や農薬などを避けて脱・ケミカル生活を始めるために、まずは「今使っているコスメや調味料が切れたら次に何を買うか」を考えよう。オーガニック製品を扱うスーパーマーケットやオンライン・ショップなどをのぞいて、自分が求める品質レベル――ベストな物、あるいはベターな物を求めるかなど――や価格などを検討してみるのも良いだろう。選ぶ物を変えることで、例えば数ドルの差で、より健康な未来が訪れるのだとしたらそれはお得な買い物ということになるはずだ。

また、重曹やアップル・サイダー・ビネガーなど、食材としてだけでなく掃除や美容にも使える台所の常備品を昔ながらのやり方で生活に取り入れれば、安価に安全を手に入れることもできる。素手で触れないほど強力で危険な洗剤や、高級ながら肌を老化させる保存料も入った化粧品などを使わずに快適な生活を送る、という選択は案外身近に存在するのだ。

次ページでは、石けんやデオドラントなどの生活用品と、子どものおやつや調味料などの食品から、オーストラリアで購入できるオーガニック製品や添加物の少ない製品を紹介する。家族の健康を守るため、今日からの買い物にぜひ役立てよう。

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