2015年8月 ニュース/QLD

人を襲う数少ない凶暴なサメの1つとして知られるホオジロザメ。連邦環境省によると、全長は最大7メートルに達し、オーストラリア近海ではQLD州から南部、WA州北部にかけての広い海域に生息している
人を襲う数少ない凶暴なサメの1つとして知られるホオジロザメ。連邦環境省によると、全長は最大7メートルに達し、オーストラリア近海ではQLD州から南部、WA州北部にかけての広い海域に生息している

サメ、またサーファー襲う

男性重傷、GCで緊急手術

NSW州北部バリナのライトハウス・ビーチで7月2日午前10時ごろ、サーフィンをしていた地元の男性(32)がサメに襲われた。男性はヘリでゴールドコースト大学病院に運ばれ、緊急手術を受けたが、脚部を噛まれて大量に出血していて危険な状態にあるという。公共放送ABCが伝えた。

事故当時、男性は友人と2人でボディボードで波乗りをしていた。友人がケガをした男性を岸に引き上げ、救助を呼んだ。男性が襲われた直後に体長3〜4メートルのホオジロザメが目撃された。民放チャンネル・ナインは波間をゆうゆうと泳ぐサメの空撮映像を放映した。バリナの全海岸は24時間、遊泳禁止となった。

また、バリナ北方のレノックス・ヘッドでも翌3日朝、サメがサーフィン中の男性(52)のサーフボードに体当たりした。サーフボードの一部が破損したが、男性にケガはなかった。2日にサーファーを襲ったサメのしわざかどうかは分かっていない。

ライトハウス・ビーチでは2008年にも16歳の男の子がサーフィン中にサメに襲われ、死亡している。近隣のシェリー・ビーチでも今年2月、41歳の日本人男性サーファーがサメに襲われ、死亡したばかり。サーファーや漁師の間では一般的に、河川が増水して海水が濁ると、流れてきた餌を求めてサメが出現する可能性が高くなると言われているが、事故当時の海水の透明度は高かったという。

人命より環境保護優先?

オーストラリアでは近年、サーファーなどがサメに襲われる事故が過去の長期的なデータと比較して大幅に増えている。原因は分かっていないが、保護によってサメの個体数が増加している可能性や、海で遊ぶ人の数が増えてサメに襲われる確率が高まっていること、などが指摘されている。特にサーファーが襲われる事故が多い理由としては、人がサーフボードにまたがって浮いている姿が、サメが食べるアザラシやカメに見えるとの推論もある。

今回の事故を受け、NSW州第1次産業省は2日、法律に基いて保護種の捕獲・殺傷を許可する通達を出した。しかし、ABCによると、地元バリナのデービッド・ライト市長などからサメ退治に慎重な声が出ている。7月7日時点で、男性を襲ったと見られる個体を捕らえる具体的な動きは出ていない。

オーストラリアでは一般的にクジラやサメ、マグロなどの大型海洋生物の保護に熱心で、個体数が減っているとされるホオジロザメをむやみに捕まえたり殺したりできない。ワシントン条約(CITES)もホオジロザメを附属書Ⅱ(現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅の恐れのあるもの)に掲載していて、QLD州やNSW州は州法で無許可の捕獲・殺傷を禁じている。

WA州は昨年、州南西部でサメの被害が相次いだことから、捕獲したサメのうち危険な種を殺傷するプログラムを試験的に実施した。これに左派の環境保護団体などが強く反発したほか、人を襲う種類のサメをほとんど捕らえられなかったこともあり、州政府はプログラムの正式導入を断念している。


5年ぶりに発見も、真相は謎
州北部で失踪の米国人

QLD州北部で5年前に失踪した米国人旅行者、ケネス・ロッドマンさん(60=失踪当時55歳)が6月28日、ケアンズで無事に発見された。同郊外スミスフィールドで別の事件を捜査していた警察官が偶然見つけ、身元を確認したという。公共放送ABCなどが伝えた。

ロッドマンさんが失踪前に最後に目撃されたのは2010年12月。州北部の高級リゾート地ポート・ダグラス近郊のビーチに緑色のカヤックを漕ぎに出かけて以来、消息を断った。カヤックは11年1月に近くのビーチで発見されていた。

警察の調べに対し、ロッドマンさんは捜索対象者になっていたことを認めたとされる。しかし、なぜ身元を隠したまま5年間暮らしていたのかは明るみに出ていない。ロッドマンさんのビザはとっくに失効しているため、身柄は連邦移住省に引き渡され、近く米国に強制送還される。


死亡直前に撮影されたとみられるリース・ハーディングさんの動画(クルド人武装勢力「ライオンズ・オブ・ロジャバ」(YPG)のフェイスブック・ページより
死亡直前に撮影されたとみられるリース・ハーディングさんの動画(クルド人武装勢力「ライオンズ・オブ・ロジャバ」(YPG)のフェイスブック・ページより

GC出身の23歳、シリアで死亡
クルド人武装勢力に参加

ゴールドコースト(GC)出身のリース・ハーディングさん(23)が6月27日、シリアでクルド人武装勢力「ライオンズ・オブ・ロジャバ」(YPG)に義勇兵として参加して「イスラム国」(IS)を名乗る過激派勢力と戦闘中、死亡していたことが分かった。7月1日付の公共放送ABCが、ハーディングさんの父の話として伝えた。

それによると、ハーディングさんは今年5月、家族には休暇に行くと言ってオーストラリアを出国した後、携帯電話のテキスト・メッセージで「人道支援活動」をしていると伝えていた。ところが、実際にはクルド人武装勢力に入り、戦闘員としてISと戦っていた模様だ。父が現地から電話で聞いたところによると、地雷の爆発が原因で死亡した。オーストラリア国内のクルド人社会は、ハーディングさんの遺体をオーストラリアに輸送する費用約2万ドルの募金活動を始めているという。

今年2月には、QLD州出身で元国防軍兵士のアシュリー・ジョンソンさんが、同じくYPGの一員としてシリアで戦闘中にISの銃撃を受けて死亡している。IS側のオーストラリア人の死者数は2月時点で約20人とされたが、クルド人武装勢力側のオーストラリア人の死亡例はジョンソンさんに続いてハーディングさんが2人目と見られる。

オーストラリア政府は、いかなる武装勢力に参加して海外で戦闘に参加することも禁止している。ISを倒すために戦っているジョンソンさんやハーディングさんのような民兵も犯罪者と見なしている。しかし、ハーディングさんの母はABCに対し「彼は過激な思想を持っているわけでも、宗教心が強いわけでもなかった。ただ何かが間違っていると思っただけだ」と述べ、正義感に基づいた行動だったと主張した。


サンシャイン・コーストのモスク建設へ
反対派200人デモも、計画認可

QLD州南東部サンシャイン・コースト市は6月26日、同市のマルーチドアにイスラム教の礼拝所モスクを新設する計画を認可すると発表した。計画を巡っては、反対住民ら約200人が昨年、現場周辺でデモを行っていた。全国的に反イスラム感情が高まる中で、オーストラリア社会の宗教対立を示す動きの1つとして注目を集めていた。

決定について同市のマーク・ジャミソン市長は「地域社会に懸念がある」ことは認めた上で、市議会は宗教的な問題を判断する立場にはなく「建設計画を認可するかどうかを決断した」と述べた。市は認可の前提として礼拝者の人数や礼拝の回数、スピーカーの音量、騒音などを制限したという。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る