2016年3月 ニュース/QLD

全体練習に初合流後、チームメイトとともに汗を流した五郎丸歩(Photo: Taka Uematsu)
全体練習に初合流後、チームメイトとともに汗を流した五郎丸歩(Photo: Taka Uematsu)

五郎丸、決意の来豪

レッズ全体練習に合流

ラグビーの世界最高峰スーパー・ラグビー(SR)クイーンズランド・レッズに入団した日本代表FB五郎丸歩(29歳)が2月6日、本拠地ブリスベンに降り立った。

早朝のブリスベン国際空港では、到着を聞き駆けつけた多くの邦人の出迎えを受けた五郎丸。世界最高峰へのチャレンジの第1歩は、日本と変わらぬ「五郎丸フィーバー」での幕開けとなった。

同日夜には、レッズがプレシーズン・マッチを行ったスタジアムにも姿を見せ、現地の邦人団体や商工会関係者とのレセプションに出席。40人ほどのサイン、写真攻めにも笑顔で応えた。

本格的なお披露目となった8日の公式記者会見では、日豪合わせて20人ほどの報道陣を前に来るべきシーズンに向けての抱負を力強く語り、そのまま、チームの全体練習に初めて合流。時折、笑顔を見せながら他の選手と同様のメニューを淡々とこなした。

9日には、トレーニング・マッチ(対ブランビーズ・12日)のサブ・メンバー入りが発表され、27日に迫ったSR開幕戦のワラタス戦(シドニー)を前に万全の公式戦デビューを期しての調整が本格的段階に入った。


はぐれ人魚、海に帰る
340キロの巨体をNSW州南部から空輸

人魚伝説のモデルになったとも言われる海洋性の哺乳類ジュゴン1頭が2月4日、ブリスベン東方モートン湾に放流された。空軍も参加した大規模な救出作戦から約2週間ぶりに自然の海に戻った。公共放送ABC(電子版)が報じた。

モートン湾から南へ1,000キロ以上離れたNSW州南部メリンビュラの海水湖で、体長2.7メートル、体重340キロのオスのジュゴンが発見されたのは約3カ月前。もともとの生息地は不明だが、何らかの理由ではぐれ、海流に乗って南下して迷い込んだと見られる。

この海域は水温が低く、餌となる海藻も少ないため、生き残れないと判断された。NSW州国立公園野生動物局と、ゴールドコースト(GC)のテーマパーク「シーワールド」、シドニー水族館、オーストラリア空軍が1月21日、共同で救出。空軍の輸送機でシーワールドに移送され、2週間、暖かいモートン湾に放すためのリハビリを受けた。健康状態が回復したため、4日、シーワールドのスタッフらの手で船に乗ってモートン湾に運ばれ、海に帰っていった。体に送信機が取り付けられていて、放流後も追跡可能という。

ジュゴンはオーストラリアでは北部一帯の湾内などで海藻を食べて生きている。寿命は最大70年程度、メスが一度に産める幼獣も1頭とヒトに近い。成長が遅く、出産間隔も数年と長いことから、沿岸部の自然破壊を背景に世界的に個体数が減少。オーストラリアでも絶滅が危惧される保護種に指定されていて、捕獲は先住民の伝統的なジュゴン漁しか認められていない。モートン湾は約1,000頭が生活しているとされ、国内有数のジュゴン生息地として知られる。


ポッサム車でひき殺し、カンガルー弓で撃つ
ブリスベン郊外で非道な動物虐待相次ぐ

オーストラリア原産の有袋類、ポッサムを車でひき殺す動画を撮影してインターネットに投稿したとして、動物に対する残虐行為の疑いで、ブリスベン南部郊外に住む少年2人(いずれも17歳)が1月29日までに起訴された。公共放送ABC(電子版)が伝えた。

動画には、少年らが車を前進させたりバックさせたりして何度もポッサムを引き、下半身が切断されたポッサムが、必死で逃げようとしている様子が映っていた。動画共有アプリでこれを見た女性が「王立動物虐待防止協会」(RSPCA)に通報。RSPCAが市民の協力を得て容疑者を特定して告訴した。

また、RSPCAはブリスベン南方グリーンバンクでカンガルーを弓で撃ったとされる容疑者も探している。襲われた親のカンガルーは治療を受け助かったが、まだ生まれる前の赤ちゃんカンガルーは死んでしまったという。


豪州での経験を生かして日本プロ球界復帰を目指す伊藤拓郎(Photo: マサ・スポーツ・エージェンシー)
豪州での経験を生かして日本プロ球界復帰を目指す伊藤拓郎(Photo: マサ・スポーツ・エージェンシー)

元DeNA伊藤、豪州での経験糧にプロ復帰睨む

全豪主要6都市のチームが争う野球の「オーストラリア・ベースボール・リーグ」(ABL)。日本で言えば、「日本シリーズ」にあたるチャンピオンシップ・シリーズがブリスベンで行われ、地元のブリスベン・バンディッツが2戦連勝でシリーズを制した。

シーズン1位のブリスベンのホームに乗り込み、惜しくも敗れ去ったアデレード・バイツ。ブリスベンが優勝を決めたシリーズ第2戦、そのアデレードの最後のイニングを任された投手の背中には、背番号15と共に「ITO」の名前があった。

185センチの長身がオーストラリア人選手に交じっても引けを取らないその選手の名は、伊藤拓郎(22歳)。横浜DeNAベイスターズに3年間在籍した右の本格派投手だ。後がない2戦目に4番手で登板した伊藤は、これ以上に失点を許せない状況下で日本のプロ野球仕込みの実力をいかんなく発揮。2回無失点4奪三振という圧巻の内容でブリスベンの攻撃を断ち切り、攻撃陣の最後の粘りに望みを託してマウンドを降りた。その願いは空しく、アデレードは1-7で敗れ、伊藤はベンチで歓喜に沸くバンディッツの選手たちの姿を見つめていた。

この日の登板を最後に、2カ月の短期間に積み上げた通算9試合2勝1敗、防御率2.50という成績を残して豪州を去る伊藤。帰国後は、昨季所属したBCリーグ・群馬ダイヤモンド・ペガサスに復帰。NPBシーズンの終了後に開催される12球団合同トライアウトに挑む。

今年オフに合同トライアウトに参加すると、実に3年連続(15年度は2回開催のいずれにも参加。延べ4回挑戦している)で悲願のプロ復帰への挑戦となる。「本来、体を(実戦で)動かせない季節に(ABL参戦で)動かせた。これは、選手としては非常に貴重な経験」と語るように、豪州参戦という今までにないアプローチを経て臨む今回は違う結果を引き出せるだろうか。

遠路はるばる、豪州までやって来て、慣れない自炊をしながら、言葉の通じない海外でプレーした経験が糧になり、伊藤に「3年目の正直」となるプロ復帰の道が開かれるのか――。彼の挑戦の今後の軌跡を見守りたい。

そして、来季のABLにも「ダウン・アンダー」の地のベースボールに挑む若き挑戦者たちがやって来ることを楽しみに待ちたい。(本紙特約・植松久隆/ブリスベン)

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