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初めて家を買う人への補助金より、ホームレスの支援を

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豪生産性委員会、報告書で提言

シドニー市内セント・ジェームズ駅につながる地下通路(Photo: kylie De Guia on Unsplash)

 オーストラリア連邦政府傘下の「生産性委員会」は30日、住宅政策の見直しに関する報告書を発表し、「ファースト・ホーム・バイヤー」(初めて持ち家を購入する人)への補助金を段階的に廃止し、ホームレスへの支援を拡充するべきだと提言した。公共放送ABC(電子版)が伝えた。

 報告書は、「ハウジング・アフォーダビリティー」(不動産価格の高騰によって住宅購入が困難になっている問題)の改善や、ホームレス問題などの対策として、国と州政府が2018年に合意した「全国住宅・ホームレス協定」(NHHA)を再検討。初めて持ち家を購入する人への補助金の予算は、ホームレスの人たちやその危険に瀕している貧困層を支援する施策に振り向けるべきだと主張した。

 報告書は「補助金の恩恵を受けているのは、住宅の買い手ではなく、より高い価格で家を売却できる売り手の方だ。買い手への支援策によって、支援を受ける資格のない(資金力のない)人の持ち家購入がより難しくなっている」と指摘した。その上で、州政府が補助金を段階的に廃止するか、「支給対象を住宅市場から締め出されている人たちに絞るべきだ」と論じた。

 住宅政策とホームレス支援は主に各州・準州政府の所管だが、連邦政府が毎年16億豪ドルの予算をNHHAに投じている。生産性委員会のマルコム・ロバーツ委員長は「NHHAは安価な住宅へのアクセスを向上させることが目的だったが、効果が上がっていない。連邦政府と州政府の間の資金協定となっていて、改革に向けた道筋を描けていない」と述べた。

 初めて持ち家を買う人への補助金は2000年、住宅購入者の財・サービス税(GST=10%)負担を軽減するために導入された。08年に世界金融危機の景気対策として増額され、その後減額されて現在も続いている。金額や給付条件、住宅価格の上限などは州によって異なるが、東部ニュー・サウス・ウェールズ州の場合、最大で1万豪ドルの補助金が受けられる。

 また、報告書は、政府の家賃支援も十分ではなく、必要のない世帯にも提供されているとして、優先的に制度を見直すよう要請している。

 生産性委員会は連邦財務省所管の独立機関。ミクロ経済、規制、社会・環境問題などについて、政策の再検討や提言などを行っている。

■ソース

Productivity Commission suggests redirecting support from first home buyers to people facing homelessness(ABC News)

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