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所得減税第3弾は撤回しない アルバニージ−首相が明言

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「ハネムーン期間」の終わりに演説で表明

アンソニー・アルバニージー首相

 オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相(労働党)は5月の連邦選挙で保守連合から政権を奪回して100日目となった29日、首都キャンベラのナショナル・プレス・クラブでスピーチを行った。その中で首相は、前保守連合政権が導入した所得税減税策の第3弾を予定通り2024年に実施すると明言した。公共放送ABC(電子版)が伝えた。

 所得税減税策は、税制の簡素化や中高所得者の税負担縮小などを目的に前政権が導入を図った。当初反対していた当時野党の労働党も最終的に賛成に回り、与野党の賛成多数で成立していた。

 これまでに18/19年度〜19/20年度の第1弾、20/21年度以降の第2弾を実施している。総仕上げとなる第3弾は、24/25年度以降に実施されることがすでに法律で決まっている。第3弾の主な内容は、◇所得税率30%が適用される年収の上限を12万豪ドルから20万豪ドルに引き上げること、◇年収12万豪ドル以上の所得税率37%を廃止すること、◇45%の最高税率が適用される年収の下限を18万豪ドルから20万豪ドルに引き上げること、などとなっている。

 アルバニージー首相はスピーチで「議会と私たちが(法案成立を)決定したことに従って法律を守り、覆すことはしない。私たちは、減税に賛成した。なぜなら、減税を心から欲していた人たちに背を向けることになったからだ」と述べ、前政権下で当時野党の労働党も賛成して立法化した減税策を確実に遂行する考えを強調した。

 なお、オーストラリアでは新政権発足後の100日間は「ハネムーン・ピリオド」(蜜月期間)と呼ばれ、メディアや国民は政権の実績を大目に見る傾向がある。一般的に、100日を過ぎると、政権に対する評価は厳しくなるとされる。

■ソース
Prime Minister Anthony Albanese stands firm on stage 3 tax cuts as crossbench seeks delay, scrapping(ABC News)

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