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オーストラリア人女性、日本で起訴 「ロマンス詐欺」被害と家族は主張も、真相はいかに

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スーツケースに覚醒剤1.9キロ

 公共放送ABC(電子版)によると、パース在住のオーストラリア人女性、ドナ・ネルソン容疑者(56歳)が日本で起訴されていたことが分かった。ネルソン容疑者は1月3日に国際便で成田空港に到着した際、覚醒剤を密輸しようとした疑いで4日、千葉県警に逮捕され、勾留されていた。

 この事件は日本ではほとんど話題になっていないが、27日付の産経新聞(電子版)も、千葉地検が24日に覚醒剤取締法違反と関税法違反の罪でネルソン容疑者を起訴したと報じている。産経によると、容疑者は複数人と共謀して覚醒剤約1.9キロをスーツケースに隠し、ラオスからベトナムを経由して成田空港に密輸したとされる。

 事件をめぐっては、ネルソン容疑者がいわゆる「ロマンス詐欺」の被害に遭い、知らないうちに運び屋に仕立て上げられたと、家族が主張している。容疑者の娘らがABCに述べたところによると、容疑者は日本訪問の数カ月前からオンラインで男と知り合い、男がラオスなど東南アジアの複数の都市を経由して日本に行く航空券の料金を支払い、容疑者を日本に招待していたという。

 ネルソン容疑者の弁護士が娘らに伝えたところによると、男の知り合いを名乗る人物が容疑者のラオスの滞在先を訪ね、荷物を日本に持っていくよう頼んだという。シドニー・モーニング・ヘラルド紙は「ナイジェリアの恋愛詐欺師」に騙された可能性があると報じていた。

 ネルソン容疑者は先住民アボリジニの出身。先住民支援団体の責任者を務め、昨年5月のオーストラリア連邦議会選挙では環境保護政党「グリーンズ」(緑の党)のから立候補していた(結果は落選)。

 ロマンス詐欺とは、オンラインで交際相手を探すマッチング・アプリなどで知り合った相手(主に女性)に恋愛感情を抱かせた上で、巧みに金銭などを騙し取るもので、違法薬物の運び屋にさせられるケースも報告されている。

■ソース
Donna Nelson charged with importing almost 2kg of ‘illegal stimulants’ into Japan(ABC News)
「アボリジニ支援団体の豪職員、覚醒剤密輸で起訴」(産経新聞)

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