オーストラリアの「認証コピー(Certified Copy)」について – 身近な法律問題

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法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第21回:オーストラリアの「認証コピー(Certified Copy)」について

オーストラリアではごく普通に用いられている「認証コピー」は、オーストラリア社会に広く浸透している手続きの1つです。日本ではほとんどなじみのないシステムなので、私の経験からよくある質問を簡単にQ&A方式にまとめてみたいと思います。

Q. 認証コピーとは何ですか?

A. 特定の資格のある人物が書類の原本とそのコピーの内容が同じものであることを確認した上でコピーを認証(原本と相違ない旨の確認と署名)することで作成された文書のことを言います。平たく言えば、“原本と同じ内容のコピーであること”が有資格者によって認証されているコピーを「認証コピー」と言います。

Q. どうしてオーストラリアでは認証コピーが用いられるのですか?

A. 政府による見解は公表されていないようですので、私の理解となりますが、個人が勝手にコピーした書類は内容が改ざんされている可能性があり、受け取った書面の真贋(しんがん)を確かめるすべがありません。とはいえ、確認のためにパスポートや免許証などの現物を郵送するとなると、不必要に大きなリスクや懸念が伴うのも事実です。また、国土が広大なオーストラリアでは、地域や種類によって該当窓口が遠くて直接行くのが困難という場合もあります。そこで、有資格者によって原本の内容を照らし合わせて認証されている認証コピーが謄本として用いられることで郵送での申請を認めているのだと思われます。

Q. 認証コピーが用いられる書類を教えてください。

A. 具体例として、パスポートや免許証などの身分証明書や、成績証や資格・免許などの再発行が難しい書類を提出する必要がある際に、認証コピーが頻繁に用いられます。認証コピーは通常のコピーを有資格者に認証してもらっているだけですから、仮に紛失や破損しても容易に再発行することが出来、提出したものを返還してもらう必要がないため二度手間にならないといったメリットがあります。

Q. 認証コピーを作成できる資格者を教えてください。

A. 一般的には、弁護士、その他に「J.P(Justice of the Peace)」などの有資格者が認証コピーの作成を行うことが出来ます。ただし、認証コピーをもらうためだけの目的で弁護士事務所に予約を入れるのは一般的ではありませんので、ショッピング・センターなど公共の場でボランティアで常駐するJ.Pの方に作成してもらうのが良いでしょう。


弁護士:神林佳吾(神林佳吾法律事務所代表)
1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後12年以上にわたって訴訟を中心に応対

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