「私も環境保護論者だ」とアボット首相

米連邦議員、豪気候温暖対策非難

 オーストラリアの保守連合連邦政権の姿勢はかなり混乱しており、与党政治家の発言に対してはすぐさまそれを打ち消す事実を掲げた反論が出る。世論調査やメディアのニュース・ブロッグなども現連邦政権の政策に否定的な声が高まっており、識者の中には、「国民は政権の個々の政策よりも、政権が代表している価値観が伝統的なオーストラリアの平等主義や社会的弱者に対する共感と相容れないことに気づき始めたのではないか」と世論調査の数字を挙げて分析する者もいる。

 カナダの保守政権に気をよくしたトニー・アボット豪首相は、排出権取引制度に反対する保守政権の連合をと打ち上げたが、イギリスとニュージーランドの保守政権からはすぐさま肘鉄を食らっている。また、「経済成長を阻害するような気候温暖化対策は受け入れられない」と発言したかと思うと、「オバマ米大統領の気候温暖化対策は豪保守連合政権の直接行動計画と同じようなものだ」と発言し、わざわざ直接行動計画予算を人口3億1,000万人のアメリカに換算して見せているが、アル・ゴア元米副大統領やヘンリー・ワックスマン連邦議員から猛烈な非難を受け、ワックスマン議員は、「豪保守連合の考えている逆競売方式で企業が国民の税金を受け取り、温室化ガス排出削減技術に投資するプロジェクトが効果を挙げるわけがないではないか」と批判、労働党の「炭素排出企業に処罰的な負担を加えることで排出量を減らす動機付けを与える方がはるかに安上がりで効果的」と語っている。

 6月13日には、アメリカ滞在中のアボット首相が、「私も環境保護論者、気候変動についてバラク・オバマ米大統領と意見の相違はない」と発言している。しかし、カナダ首相と会見した後には、「気候変動問題よりも経済問題が優先」と発言しており、「気候変動対策が最優先」とするオバマ大統領とは大きな隔たりがある。また、両者会談後の共同記者会見でも、首相も大統領も気候変動問題については一切語らず、質問も受け付けなかった。

 今年11月にブリスベンで開かれるG20首脳サミットでは、米政権は気候変動対策も公式議題にするよう要求しているがアボット豪政権はこれに抵抗している。(NP)

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