パーキンソン病の幹細胞治療を豪で

成功すれば欧州、米などでもさらに試験

 今後何年間か、アメリカのカリフォルニア州の医療企業が、オーストラリアで世界初のパーキンソン病幹細胞治療の臨床試験を行うことが明らかになった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 アメリカのInternational Stem Cell Corporationがその企業で、オーストラリアではロイヤル・メルボルン病院で幹細胞治療臨床試験を行うことになった。この第I相試験に成功すると、何年か後にはさらにオーストラリア、ヨーロッパ、アメリカなどの地域で規模を拡大して第II相試験に移る。

 メルボルンの神経学者、アンドリュー・エバンズ博士は、「オーストラリアが技術革新の風土と高い臨床研究水準ということがあり、オーストラリアでの臨床試験が認可された。また、研究環境の良さと同時にR&D優遇税制も手伝っているはず」と語っている。

 この臨床試験では、オーストラリア人のパーキンソン病患者12人に神経幹細胞を注入する。その後1年間12人の幹細胞の観察を続け、患者の脳がドーパミンの生産放出量を拡大できるかどうかを調べる。

 エバンズ博士は、「ドーパミンはもっとも重要な脳の神経伝達物質だが、パーキンソン病患者ではこのドーパミンが生産されなくなり、そのために、硬直、鈍麻、振顫などの主要な特徴が現れる。注入した神経幹細胞は経年モデルでドーパミン生産細胞に分化できることが示されており、パーキンソン病患者がドーパミン生産機能を一部でも回復することを期待している」と語っている。

 以前の幹細胞研究は胚性幹細胞という人間の受精卵の胚を用いるため、倫理問題がつきまとっていた。しかし、現在は単為発生胚幹細胞を用いることでこの問題を解決している。もう一つ、技術的問題として、このような幹細胞が神経細胞に分化できるかどうかということがあったが、これも最近の技術でほとんど克服されている」と語っている。オーストラリアの医薬品管理局は、この臨床試験に対して条件付きの認可を与えた。

 エバンズ博士は、「重要なのは、パーキンソン病の原因を明らかにすること。さらに、その原因を解消することの2段階で研究を進めなければならないということだ」と語っている。
■ソース
Revolutionary stem cell therapy trial for Parkinson’s disease to be held in Australia

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