期中経済財政見通し:財政赤字拡大

医療福祉予算減は上院の抵抗必至

 12月15日に発表された期中経済財政見通し(MYEFO)は今後さらに財政赤字が拡大すると予測した上で、医療、福祉などの予算を引き締める政策を提案している。このMYEFOは難民船対策で辣腕をふるったスコット・モリソン財相にとって初の予算政策発表になるが、医療では検査のバルクビリングで政府負担を縮小する案がすでに臨床検査専門家の批判を呼んでいる。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 野党労働党のクリス・ボウエン影の財相は、上院でモリソン予算削減案を阻止する選択肢を否定しなかった。財相前任のジョー・ホッキー氏は2014年5月予算案で福祉、教育、医療、科学、文化などの部門に厳しい態度を示し、数多くの予算法案が上院で否決されている。

 今回、財政赤字は374億ドルに膨れあがっており、その一部を相殺するため、医療、福祉、高齢者介護などから37億ドルをカットする考えを明らかにしている。これに対して、ボウエン議員は、「その分野のカットは深刻な問題だ。労働党は、そのような残酷なカットを見逃すことはできない。上院で阻止することも検討する。国民への約束をこのように破棄し、残酷なカットに黙って同意を与えることは労働党のすることではない」と語っている。

 モリソン財相はすでに130億ドルの歳出節減の法案が上院で阻止される可能性が高く、「野党が代替案を出してくれば交渉に応じる。後は野党の責任だ」と語っている。また、「MYEFO最大の支出節減は、連邦警察の協力を得て、福祉悪用の摘発で20億ドルを節減できる。福祉制度に負債を抱えたままの人、福祉金もらいすぎ、福祉金受給資格がないのに偽って受け取った人などの負債をきっちりと回収する」と語っている。

 さらに、財政黒字回復は2021年度頃になる。長年の歳出増が構造的に予算を膨張させているが、これを元に戻すのは大仕事だ、と語っている。
■ソース
MYEFO: Budget savings face tough Senate reception as Scott Morrison calls for alternatives

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る