WA州北部のゴアナにケーントード対策

弱毒の若い個体で軽い食中毒させる

 南米原産のオオヒキガエル、「ケーントード」は、かつてはQLD州だけだった生息地がすでにNSW州北部まで南下し、西は北部準州(NT)の湿潤地域を占領し、WA州北部で州境を越え始めている。

 このカエルは耳の後に毒腺を持っており、豪在来種動物がこれを補食して死ぬため、中には絶滅寸前にまで数の減っている種もある。1月には、ゴアナの絶滅を防ぐため、ケーントード前線の先駆けになる幼いケーントードをゴアナに与えて軽い食中毒を体験させ、その後に来る致命的な成体を避ける研究グループの試みが報道されている。

 「Royal Society’s Biology Letters」に掲載された研究報告は、キンバリーで行われているこの試みで、ゴアナの生存率が大きく向上したと述べている。特にヒャクメオオトカゲ、スナオオトカゲは、ケーントードの毒に極度に弱い。

 この研究報告書の筆頭著者、シドニー大学のジョージア・ウォード=フィア氏は、「ゴアナを、毒性の低い小さなケーントードに触れさせ、死なない程度に食中毒を体験させることで毒性の強い大きなケーントードを見てもこれを避けるように訓練してみた。研究者とアボリジニのレンジャーが2年をかけて実験を続けた。ゴアナにラジオ・ビーコンを着けて採餌活動を追跡し、幼いケーントードを釣り竿の先につり下げてゴアナの前にちらつかせることで幼いケーントードを食べさせた。実験開始1年半経過後、その地域には成体のケーントードがいるにもかかわらず、訓練したゴアナの生存率は訓練しなかったゴアナより生存率が高かった。実際、訓練しなかったゴアナは瞬く間に絶滅していった」と述べている。

 WA州国立公園野生局(DPAW)では、幼いケーントードを大量に放す考えはないとしているが、州ケーントード・プログラムのコリン・エベリット氏は、「研究申請はある。ヒャクメオオトカゲの棲むフィツロイ・クロッシングのような氾濫原で実験することも考えている」と述べている。また、「ケーントードの前進を阻むことはほぼ不可能だから、在来生物がケーントードを避けるように学習させることも重要な方法であり、生物多様性の保存のためにも地域的に採用することが考えられる」と述べている。
■ソース
Goannas trained to eat baby cane toads to prevent poisoning by adults before invasion

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