今月の不動産の見通し

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第44回
今月の不動産の見通し

2015年最後のシドニーのオークション落札率は、61.4パーセントでした。過去数週間の落札率は平均すると58.1パーセントでしたので、それに比べると若干回復したものの、14年の76パーセントに比べると、だいぶ冷え込んできているのが分かります。

特に15年前半は、不動産価格も強気な勢いを見せ、オークション落札率は80パーセントから90パーセント前後を保っていました。14年の不動産中間取引価格帯は80万6,000ドルだったのに対し、15年の中間価格は100万ドルを超え、14年に比べて約20パーセント前後の物件価格上昇率を示しました。

ところが、昨年11月に入ると物件価格の動きが鈍くなったように感じます。その背景には、これまで物件価格が過剰なほど上がり続けたこと、また、銀行の評価判定も厳しくなり、融資の条件が厳しくなったことなども理由にあります。ただし、新築物件においては、未だに良い物件(立地・コンセプトが良い)は予約で完売状態が続いています。

一方、メルボルンの中古物件市場は、15年前半は強気な姿勢を見せましたが、やはりシドニーと同様、後半は鈍っています。また、エリアによっての価格差も激しいと言えるでしょう。新築物件は、シドニーの価格まではいかなくとも、それに追随する調子で価格の上昇が続きました。

ブリスベンについては、今まであまり成長がなかった分、15年は中古、新築物件についてもようやく価格上昇が始まり、今後も上昇は続くと見込まれています。パースは、価格の下落が続いており、16年以降も厳しい状況と予測されています。

15年はシドニーだけが価格の大幅な上昇があり、賃料とともに上昇を見せましたが、今年は15年のような大きな上昇は見込まれていないため、停滞するのではないか、との見通しです。ただし、新築物件は、まだまだ建築ラッシュが続いています。また、中古物件の値上がりが続いているため、エリアによっては価格の差があまりない物件も見られます。

こうしたことから、16年は、中古・新築物件ともに成長が期待できるブリスベンが面白い市場になるのではないでしょうか。

今年は成長が見込まれるブリスベンの不動産市場
今年は成長が見込まれるブリスベンの不動産市場

豪州不動産事情

 

スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環
NSW州不動産業者免許(フルライセンス)所持

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