法律相談室/オーストラリアで“ギグ・ワーカー”が労災に遭ったら?(1)

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第48回 オーストラリアで“ギグ・ワーカー”が労災に遭ったら?(1)

欧米諸国ではウーバー(Uber)、デリバルー(Deliveroo)、フードラ(Foodora)など、オンライン・サービス(アプリ)の人気が高まっていますが、オーストラリアも例外ではありません。そして、それに伴った雇用状況の変化も起きています。

現在、人気沸騰中のオンライン・サービスを見る限り、オーストラリア人は、非正規雇用者が多い労働市場である「ギグ・エコノミー」を歓迎しているようです。こうしたオンライン・サービスは消費者、そして働き手に恩恵をもたらす一方で、新たな課題も生まれています。

アーンスト・アンド・ヤング会計事務所が最近行った調査によると、オンライン上で仕事を受注するフリーランサーなどの人たちのことを指す「ギグ・ワーカー」の数が、この10年で66%も増えたそうです。また、2020年までに労働者の約5人に1人が、UberやDeliverooのドライバーのような非正規雇用に関わることも予測されています。

これらは、正規社員として働くよりも、単発の仕事を請け負って生計を立てている人の増加を表しています。昨年のデータで見ると、オーストラリアでは約3分の1の労働者がフリーランスで働いていました。

ギグ・ワークには目に見えないコストがある?

オーストラリアのギグ・ワーカーは、他の労働者(ギグ・ワーカーではない正規雇用者)と変わらない雇用条件下で働けるのでしょうか?

実際、ギグ・ワーカーは標準に満たない労働条件で働いていることが懸念されています。もちろん、ギグ・ワーカーとして働くことは自由度や柔軟性の点で優れており、良い面もありますが、例えば正規雇用者は、最低賃金を設定した法律で守られている一方で、ギグ・ワーカーにはそうした法律がないのです。

次号では、実際にギグ・ワーカーが労働中に事故に遭ってしまった時、どのようなことが起こるのか詳細に見ていきます。


ミッチェル・クラーク
MBA法律事務所共同経営者。QUT法学部1989年卒。豪州弁護士として25年以上の経験を持つ。QLD州法律協会認定の賠償請求関連法スペシャリスト。

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