バブル再来

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第37回 バブル再来


文=諸星きぼう

米国の住宅バブルがリーマン・ショックをきっかけに崩壊し、世界経済は恐慌に至るのではないかと思われた危機から早6年が経過しました。アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとした世界各国の中央銀行が資産買い取りで資産を膨張させるという禁じ手を使ってでも恐慌を阻止してきました。

その結果、FRBの見解(イエレン議長は未だ雇用が十分に回復していないとしている)とは裏腹に米国経済は十分に回復しており、欧米株価は史上最高値を更新しました。

これをもってバブルだと申し上げる気はさらさらありません。バブルとは、人々が「非合理」と分かっていても、ある資産を群がるように買い進め、適正価値よりもかなり高い価格であっても、もっと高い価格で買う、自分よりも馬鹿がいると猛進している熱狂的な状況を指します。


現状は危機から脱し、ようやく経済が正常化する見込みが見えてきた段階に過ぎないのです。2017年のピークに向けて、ようやく離陸した状況です。

英国の哲学者であり、経済思想家でもあるジョン・スチュアート・ミルが「ブーム(バブル)はいずれも、前回の危機の時に蒔かれる」と言っていますが、まさにそうした愚行の歴史を繰り返しているのが、人類なのです。

ITバブルのツケを住宅バブルで贖(あがな)ったのですが、それを許したのはFRBという米国中央銀行だったのです。そして今、リーマンショック後の危機対応のため量的後和政策(QE)1、2、3と大量の資金供給を行い、(住宅)不良債権を買い取るなどして信用を膨張させてきました。これが次のバブルの種となることは確実でしょう。FRBがテーパリングを終了させて新たな資金供給をしないにしても、FRBの膨らみ過ぎた資産に対応する流動性が世界にばらまかれています。さらには、日本銀行がアベノミクスの一環で異次元緩和で大量の資金を供給し、欧州中央銀行(ECB)もじきに資産膨張策を取ることを余儀なくされることでしょう。

こうした大量の資金供給によって、今まさにバブルの萌芽が生まれており、後に「中央銀行バブル(流動性)」と言われるであろうバブル生成に向かっております。いつの時代も、信用が膨張し、過大な流動性が供給されて、投機が起こりバブルが生成されていくのです。

では、なぜこの時期に「バブル」について書こうとしている理由を書きたいと思います。

本記事の読者の方に、先ほど言及しましたように、2017年に迎えるだろうピークに向けて、これから本格的に始まる上昇相場に臆することなく果敢に投資し、資産を築いていただきたいと思っていることが1つ。もう1つは、この上昇相場の最終局面にはバブルの崩壊があると思われ、その崩壊の前に飛び降り、資産を守ってほしいと思っているからです。

リーマン・ショック直後から、2014年ごろから相場は上昇し、15年を過ぎたころから加速し、16年の終わりころから17年にかけて波乱含みになるとサロン・メンバーにはお伝えしてきました。

その根拠は、「歴史は繰り返す」にあり、本コラムでも以前簡単に触れたことがある「覇権国株式市場の10年サイクル」に基づくものでした。

半年くらい前になってようやくIMFが、世界経済は14年から17年にかけて拡大期に入るとの予測を出すに至りました。国際決済銀行(BIS)はつい最近、バブル発生への懸念を表明し、各国中央銀行の金利政策を適正なものに早急に戻すように勧告を始めています。

しかし、イエレン新FRB議長は、米国経済のテイク・オフに自信が持てず、利上げについては先送りするスタンスを取っています。利上げの遅れの結果は、日本が1980年代後半に米国の圧力により利上げが遅れ、日本のバブルが起きたことをみるまでもなく、明らかです。

さあ、バブルにゴーです。今、投資する最大のチャンスがやってきたのです。

この原稿を書いている8月初めから、NY株式が調整を始め、世界的に株式が調整をしています。こうした下落局面で投資を行うことが収益性を高めるだけでなく、リスクをも減じるのです。日本株式も13年末比ずっとマイナスを続けていますが、年末にはプラス・パフォーマンスとなるでしょう。それがたったの5%のプラスであったとしても、マイナス10%の時に投資をすれば、プラス15%の収益率になるのです。ただ、非合理的な価格上昇が見えた時には、さっさと降りて、次のもっと大きいチャンス(2020年代前半)を狙っていきましょう。投資は、最低10年単位で行うものなのです。

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著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

 

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