引っ越し先の隣家の子どもによる騒音、のぞき見を何とかしたい

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法律

Q

2カ月前に現在の家に引っ越したのですが、隣家の子どもたちがうるさくて困っています。8歳くらいの子どものピアノ練習が耳障りでゆっくりできなかったり、赤ん坊の夜泣きがひどく、夜中に度々目が覚めてしまいます。この件で隣家のご両親に注意したところ、「後から引っ越してきたあなたにそんな文句を言う権利はない」と言われました。更に、隣家の2階の窓から我が家の室内が見え、5歳くらいの子どもに何度ものぞき見されています。プライバシーの侵害だと思うのですが、止めさせることはできますか?(30代主婦=女性)

A

最初に、騒音の問題からお答えしましょう。

一般的に、「公害となるような騒音」(以下、騒音)については、NSW州においては、「Protection of the Environment Operations Act 1997」という法律により、被害を受けている人は、その騒音を止めさせることができます。この点、「既に存在していた騒音の近くに、後から引っ越してきた方が悪い」という反論は認められません。

しかし、今回の相談のような子どもの騒音に関して言えば、「親が十分な注意をしているにもかかわらず、子どもが騒いだり、幼児が泣いたりするのは仕方ない」という判断がされる可能性が高いでしょう。ただし、幼児の泣き声などについては仕方がないと判断されたとしても、8歳の子どものピアノ練習については、その練習の時間帯などによっては“騒音”となり得る可能性があります。

次に、プライバシーの問題ですが、他人の土地の敷地内を、敷地外から見るだけの行為を阻止する法律はありません。しかし、のぞき見行為が「性的興奮を求めるために、トイレやシャワー、性行為のように、一般的にプライバシーが尊重されるべき状況をのぞき見る」といった場合には、刑法上の窃視罪(せっしざい)として犯罪になり得ます。「プライバシー保護法」という類の法律は、主に個人情報の保護を目的としており、のぞき見に対処する性質のものではありません。


一般的に、こうした隣人の迷惑行為に関する紛争については、まず冷静かつ友好的に隣人とその問題について話し合いを持ち、解決するのが得策だと思います。どうしてもその話し合いで解決できないようであれば、最寄りのCommunity Justice Centre(CJC)に問い合わせ、調停という形で中立の第三者を間に立てて、話し合うのが良いと思います。

今回のような場合には、警察に相談したとしても、「まずはCJCなどを通じて話し合うように」などと言われるのがオチだと思います。もしCJCで問題が解決できない場合には、正式な法的手段に委ねることになります。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


林 由紀夫(はやし ゆきお)
H&H Lawyers

横浜市出身。1972年来豪。78年ニュー・サウス・ウェールズ大学法学部卒(法学士、法理学士)。79年弁護士資格取得。同年ベーカー&マッケンジー法律事務所入所。80年フリーヒル・ホリングデール&ページ法律事務所入所。84年パートナーに昇格。オーストラリアでの日系企業の事業活動に関し、商法の分野でのさまざまなアドバイスを手掛ける

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