代替品を調達するのが難しい商品に損害が。いい保険は?

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Q 先日、商品の仕入れ先が軽いボヤ騒ぎを起こしました。幸い大事には至らなかったのですが、この会社からの仕入れ品は少々特殊で、他で代替品を調達するのが難しいものです。もしも有事に際して仕入れが止まってしまうと自分の会社の事業にも影響が出ますが、そういった場合の保険はあるのでしょうか。
(48歳会社員=男性)

A オーストラリアでの一般的な法人向け財物火災保険(Industrial Special Risks = ISR)、もしくは、ビジネスパックと称するような火災や盗難などをセットで手配する場合には、罹災による事業中断に起因する逸失利益や、事業の中断にも係わらず引き続き発生する固定費(人件費など)を補償する保険として、「Business Interruption = BI」、ないしは「Consequential Loss」と呼ばれるカバーを含めて手配することができます。

この保険は、普通自前で製造工場を持っていたり、特定の場所に多量のストックを抱えているなどの場合に、その拠点が火災などで罹災することで復旧、もしくはストックを他所から再調達するまでに長大な時間がかかり、その事業中断によって甚大な損害が発生する場合には非常に重要な保険となります。ただしこの保険が発動するきっかけとしては、普通まず自前資産への物理的損害の保険が適用となる必要があります。

しかしながらご質問のような、自社資産には全く損害がないケースでも、事業中断が発生する場合への保険対応には、上記とは別な「Contingent Business Interruption = CBI = 構外利益保険」での対応が求められます。

これは、上記のような、仕入れ元が罹災したため自社の事業が中断した場合、または代替が難しい自社製品の販売先が大きな被害を被ったための逸失利益をカバーする保険です。

例えば特定の顧客向けに特殊なパッケージを製造している会社などが、その得意先の罹災後、何処にもその商品を売ることができなくなるようなケースがこれに当たります。

昨今の非常に複雑に入り組んだ事業環境において、サプライ・チェーンの切断などの事態への対応も含め、先のタイの大洪水や東日本大震災以降、非常に注目度の高くなった保険ですが、どこまでの客先や供給先を保険対象として含めるか、含めた先の企業におけるリスク管理や防火・防犯設備の詳細はどこまで入手可能か、などの非常にハイ・レベルな詳しい情報の提示を保険会社から求められることが多く、また更にそういった情報を提示できたとしても最終的に例えばタイの供給元における洪水リスクや日本の客先の地震リスクは除外扱いなどの条件を付けられることも多く、保険手配の際には、高度な専門知識と、コストとの兼ね合いなどにおいても細心の注意が求められます。


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斉藤 大(さいとう だい)
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア
ジャパン保険サービス部

 

世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

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