オーストラリアにおける自動車保険の注意事項を教えてください

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Q 夫の駐在に伴ってシドニーに来ましたが、子どもの学校の送り迎えなどを考慮して自家用車の購入を考えています。そこで、当地における自動車保険の手配に際しての注意事項を教えて下さい。
(44歳主婦=女性)

A オーストラリアの自動車保険は、強制加入が求められる「C T P 保険」(Compulsory Third Party Insurance)と、「任意保険」があります。CTP保険は基本的には車両登録と紐付けられ、人身事故に関わる法的賠償責任を補償するもので、それ程選択肢はありません。そこで、今回は任意保険の説明をします。

任意自動車保険は民間の保険会社によるさまざまな商品がありますが、主なものは以下の3つに大別され、①が最も一般的と言えます。

主な3つの任意自動車保険
①対物賠償と車両補償をフル·カバーする総合自動車保険
②対物賠償保険への自車両の火災・盗難保険の追加
③対物賠償保険

まず、③の対物賠償保険は、自車両の補償が全く付帯しておらず、基本的に自車両の価値が高くないケースに対する保険です。つまり、自分の過失で事故を起こした場合の相手側への補償となりますが、注意すべきは相手側の過失事故の場合(もしくは過失のある側が不明瞭な場合)の事故においては、この保険では対応してもらえない点です。

また、②は、③に加えて自車両への火災・盗難による損害のみを補償するものです。よって、事故に関わる煩雑な対応を厭(いと)う方は、以下に説明する①の保険へあらかじめ加入しておくのが良いでしょう。

①の場合、対物賠償及び自車両に対する補償がされているので、自損、他損を問わず事故による損害であれば保険対応が可能(事故を伴わない機械的な故障や消耗などは保険対応不可)です。

個人でこの保険を手配するに当たって、対象車種(年式、モデル、グレードなど)はもちろん、自身の年齢や運転歴、通常の車両保管場所などの情報で保険料が算定されます。保険会社によっては年間走行距離の上限や、運転者を限定すること、また免責額の設定によっても保険料は左右されます。

その他、日本での付保暦があり無事故割引の等級を持っている場合などは、そのディスカウント率を引き継ぐことができるので、有効的に活用すると良いでしょう。一方で、一般的な日本の保険会社は、海外での無事故割引率を日本帰国後に継続適用してくれない場合がほとんどですので、所定の手順で中断手続きをとっておくことが重要です。

最近はオーストラリアにおいてもネット経由で格安を売りにした自動車保険や、ロード・サービスとセットになった保険、家財保険などとの抱き合わせで割引を利かせるなど、非常に広範囲にわたり選択肢が増えてきています。ただし、重要なのは加入時にきちんと内容を把握し、何がカバーされていて何がされていないかを十分納得した上で保険を手配することです。いずれにしても、事故なく安全運転を心掛けることが第一です。


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斉藤 大(さいとう だい)
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア
ジャパン保険サービス部

世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

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