Ray White対談「GC不動産の今と昔」

インタビュー
ゴールドコーストの発展に貢献した日系企業を支え続けて26年

レイ・ホワイト社取締役グレッグ・ベルさん
モト・ウォーターズさん

1980年代、日系企業はゴールドコーストの数々のリゾートやホテル、ゴルフ場などを開発・所有し、観光業界に大きな影響を与えた。その当時から日本人マーケットを支え続けるレイ・ホワイト社の取締役、グレッグ・ベルさんとトップ不動産エージェントのモト・ウォーターズさんに話を聞いた。

80年代の海外旅行ブームとゴールドコースト

サーファーズ・パラダイスの中心、ヒルトン・ホテル横にオフィスを構えるレイ・ホワイト社。取締役のグレッグさんは、1989年にゴールドコーストの不動産販売会社であるレイ・ホワイト社を兄弟で買収して以来、25年以上にわたってゴールドコーストの商業物件、不動産売買における中心的存在として活躍。現在では260人を超える社員を抱えている。

グレッグさんは昔を振り返りながらこう話す。「80年からシドニーの不動産ビジネスを兄弟で経営していました。当時のサーファーズ・パラダイスのレイ・ホワイトはまだ弱小企業でしたが、89年に視察に来て、2週間後にはこの会社を経営することに決めたんです。ゴールドコーストで新しい事業を始めるには大きな決断が必要でしたが、この場所にはダイナミックなマーケットとして多くの可能性があると感じました。まだ私たちも若く、大胆な決断だったとは思います。でも、その決断は間違っていませんでした」

代表取締役グレッグ・ベルさんは商業物件のエキスパート

80年代は、日本に海外旅行ブームが起きた時代である。比較的治安が良く、英語が通じる旅行先として、ゴールドコーストはハネムーンやリタイヤ先として人気が高まり、オーストラリアは80年代半ばにはハワイに次ぐほどの人気観光地となった。89年には、日本人観光客がゴールドコースト訪問者の1位となり、全体の観光客数の約47パーセントもの来訪者数を誇っていた。そんな日本人観光客の増加に伴い、多くの日系企業がゴールドコーストへ投資を始める。

「当時、日系企業は、ゴールドコーストのホテルや高級住宅地の開発・発展に大きな役割を担っていました。サンクチュアリー・コーブ、パーム・メドウス、ロイヤル・パインズ、ホープ・アイランドなどのゴルフ場やリゾート開発をはじめ、ゴールドコースト・インターナショナル、ANAホテルなどのリゾート施設、リバージュ・ロワイヤルやグランド・マリナーといった高級マンション、ラプティスなどのショッピング・モールなど、ゴールドコーストの代表的なアイコンが多くの日系企業によって買収されていました。あのころの日系企業の投資がなければ、現在のゴールドコーストはかなり違っていたでしょうね。日本の皆さんが、この地を本当の意味での“国際的な観光地”にしたと言っても過言ではありません」とグレッグさん。レイ・ホワイト社ももちろん当時から、数十億、数百億円単位で日系企業の商業物件売買に多数関わっていた。

日本人マーケットは現在でも大切な顧客

90年代に入ると日本人の豪州観光は成熟期を迎える。そして日本の不況の影響を受け、ゴールドコーストを訪問する日本人観光客数は徐々に下降していった。グレッグさんは「現在のゴールドコーストでは、韓国や中国からの投資が多く流入しています」とコメントした上で、以下のように語った。

「これも日本がアジアへの扉を開いたのです。そして日本は不況下でも、自動車生産などを中心とした産業力がほとんど衰えませんでした。バブルのころの勢いがなくなったとはいえ、現在でも日本は経済大国であり本当の意味で豊かな国だと思います。レイ・ホワイト社では、80年代から日本人の皆さんが私たちの重要クライアントであるとの認識を常に持ち続け、現在でも日本人のお客様をとても大切にしています」

そんな日本人マーケットに力を入れてきたレイ・ホワイト社で働くのが、大阪府出身のモト・ウォーターズさんだ。日本のような終身雇用制は一般的ではなく、社員の入れ替わりが激しいオーストラリア社会の中で、25年間ものあいだレイ・ホワイト社で勤務する日本人不動産エージェントという一風変わった存在だ。モトさんは、レイ・ホワイト社にとっても大切な存在だとグレッグさんは言う。「モトは、この25年間のゴールドコーストの不動産と日本人マーケットを知りつくしています。2003年には約87億円の商業物件の売買契約を成立させたこともあり、オーストラリア全土でもトップ・エージェントとして何度も表彰されています」。モトさんを指名して不動産や商業物件の売買を依頼する顧客が多いのは、日本人らしい心のこもったキメの細かいサービスができるからだとグレッグさんは言う。

レイ・ホワイト社で25年のキャリアを誇るモト・ウォーターズさん

「私の仕事は不動産売買のはずなのに、物件が無事に売れていったん私の顧客となったお客様が日常生活のことなどで困ってらっしゃるのを見ると、つい放っておけないんです。もちろん、私のできることには限度があります。でも、家族には『どうしてそこまでするんだ?』とあきれられてしまうようなこともあります」とモトさんは話す。

若いころ、外国人の夫との結婚に家族から猛反対を受けたというモトさん。その時、父親だけは応援してくれたのだという。「父だけは、モトならきっと大丈夫だと認めてくれたんです。だから、その父を失望させることだけはしたくないと、これまで頑張ってきました。私は、種をまいて肥料をあげなければ花は咲かないと思うんです。だから、ぱっと見ただけでは損しているように見えることも厭わずにやってきたつもりです」。モトさんには、もう20年以上付き合いのある顧客も多いという。

ゴールドコーストの今後の見通し

ゴールドコーストと不動産市場の見通しについてグレッグさんは、「ゴールドコーストをはじめとするオーストラリアの不動産市場は、世界的な不況のあおりを受けて長らく停滞していました。しかし、不動産価格の下落はあったものの、すでに底辺からは抜け出し、緩やかに価格も上昇しています。サウスポート地域の再開発もこれから興味深い動きを見せそうです。チャイナタウンもできて市政府もこの地域に力を入れていますし、この先まだまだ高層ビルのマンションが建設されていくでしょう。サウスポートはやはりゴールドコーストのCBD、ビジネスと教育の中心地です。そして、まだこの地域には新たな開発、投資の余地が残されています」と分析。

モトさんも近年の日系企業の動向についてこう見ている。「一度撤退した日系企業、そして新たな日系企業が徐々にまたオーストラリアに拠点を広げ始めています。最近の傾向としては、過去の経験を生かして、日本人観光客だけではなく地元の人々やアジア諸国をも視野に入れたビジネス・プランを展開している企業が多いようです。ゴールドコーストは、まだまだこれからも楽しみな場所ですね」

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