【税とビジネス】オーストラリアでビジネス~起業塾~(その3)


オーストラリアでビジネス~起業塾~(その3)

ビジネスをサッカーのフィールドで考える

10月のロシア・ワールドカップ最終予選の日豪戦が記憶に新しいところですが、ビジネスをサッカーに例えて考えてみましょう。

まず攻撃となるのが、ウェブサイト、広告、チラシといった販促ツールです。これらにお金をかけ正しく集客することで売上につなげます。そのため、マーケティングは大事な攻撃陣となります。今やウェブサイトはビジネスになくてはならない営業マンです。しかし、ウェブサイトは作成することが目的ではなく、売上を伸ばすための手段であるため、それを生かし、売上に貢献しないと意味がありません。シュートを打ってもゴールに入らないのと同じです。

司令塔となるのは戦略です。フィールド全体の主役となります。これなくしてビジネスは成り立たない、核となる部分です。

次に来るのが会計、税務です。これらは広告と異なり、かけた金額分必ずしも売上に貢献するわけではありません。まずは会計ですが、自分のビジネスにはどれくらいの売上があり、どういうものに出費していて、現金の流れはどうなのかなど、現状を把握し、今後の指針として利用するという攻撃の側面を持ちます。その一方、余計な費用はないか、債務を払う資金は足りているかなどをモニターする守備の一面も持ちます。サッカーでいうとボランチのような存在です。

税務はディフェンダー、つまりビジネスにおける遵守事項です。タックス・リターン、BASを申告していない、支払っていないためにATOにつぶされることもあります。また、虚偽申告や脱税で罰金、起訴ということも起こります。節税もビジネスには大切な要素。正しく戦略的に節税することでその資金を他に回すことが可能です。

これをフォローするものとして、サイドバックのITと人的管理(Human Resource)があります。ITは顧客データベース管理、SNSでのマーケティング、CRM(顧客関係管理)などを駆使し攻撃の一助となるとともに、会社のデータ漏洩(ろうえい)防止など守備の一面も持ちます。人的管理も同様に有能な営業、現場、アドミン、経理等各部隊をうまく配置することで攻守に貢献します。

最後の砦となるキーパーは、法務です。法律違反を犯してまで行うビジネスは長くは続きません。不祥事を起こし競合やお客様に訴えられるなど、順調だったビジネスが傾く可能性があります。

これらをうまく組み合わせ舵を切っていくのがビジネス・オーナーの仕事です。多くのビジネスで、ウェブサイトがないなど攻撃の基本から欠けているものもありますし、最低賃金規定、税務遵守が守れていないなど守備が弱いものもあります。まずは最初に縦のラインを確立することから全ては始まります。さあ扉を開くのはあなたです。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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