【税とビジネス】なぜ税理士によってタックス・リターンの結果が違うのか?


なぜ税理士によってタックス・リターンの結果が違うのか?

この税理士に依頼したら返金がXXXドルだと言われたのに、こっちに依頼したらXXXドルだった。このように税理士によってタックス・リターンの結果が変わることがあります。返金が多くなったり少なくなったりして、結果が良くなる、悪くなるという両方の側面があります。本来、同じ税法を使うので結果は必ず同じになるはずですが、実際はそうでもありません。理由としては、以下のことが挙げられます。

①税理士の無知、知識不足
②経費計上のさじ加減
③税法の解釈の違い
④経費、家族構成や子どもの数など、依頼主の情報開示不足
⑤収入の過少申告

1つずつ解説していくと、①税理士は難しい試験を受けてなるわけではないので、税理士事務所の知識や経験はピンキリです。また、新人が処理してそのまま申告というケースもあります。目の前でタックス・リターンをしている人が全て有資格者の税理士ではありません。この税理士の無知、知識不足により、節税チャンスを逃したり、逆に、無知が故に経費計上できないものまで経費計上し、一時的に結果が良くなることもあります。また、税金にビザが絡むケースなど、オーストラリア人税理士にはなじみの薄い場合もあります。

②幾らまでなら領収書が要らない、これくらいなら経費として計上しても豪州国税局(以下ATO)にはつつかれないだろう、といったさじ加減が違いを生むこともあります。全て依頼主の言われるままに経費計上できないものまで経費として追加する税理士もいれば、とても厳しい目で経費を計上する税理士もいます。ちなみに「経費に入れてください」と頼んでも、税理士はアドバイスはできますが、「税理士が経費計上した=ATOも納得してくれる」というわけではありません。

③税金というのは税法という法律に基づいています。この法律の解釈の仕方の違い、ATOの過去の判例や、ATOルーリングの適用を知っている税理士と知らない税理士で差が出ます。

④経費、配偶者の収入、子どもの数、住んでいた場所、ビザの種類などによって税金額が変わることがあります。これらを税理士に伝えないために結果が異なることもあります。

⑤資格を持った税理士はATOの税理士データベースにアクセスできるため、依頼主の収入をデータベースと照合することができ、本人が思いもよらなかった収入の情報を入手することもあります。しかし、税理士に依頼する時期によっては、まだこのデータベースに情報が反映されておらず、収入を過少申告し、結果が良くなることがあります。その場合、後からATOより連絡が来ます。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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