【税とビジネス】ビジネスとタックス・リターン


ビジネスとタックス・リターン

やる気次第でいつでもビジネスが始められる国、オーストラリア。実はビジネスを始めるに当たり、最初に考えなくてはならないのが「誰がビジネスを行うか」です。「自分でしょ?」と思う方がほとんどかもしれませんが、自分が行うのは自分のオーストラリアン・ビジネス・ナンバー(ABN)を使って行う“個人事業主(Sole Trader)”という形態のみです。

オーストラリアには他に3つのビジネス形態があり、代表的なのは“会社(法人)”です。会社としてビジネスを行う場合は、自分はあくまで会社の従業員であり、契約など表に立ってビジネスを行うのは会社となります。どのビジネス形態で行うかは、税金、リスク、費用などを考慮に入れる必要がありますので、ビジネスを始める際は、ぜひ専門の会計士に相談されることをお勧めします。

ビジネスを始めると、守らなくてはならない順守事項が必ず付いてきます。そのうちの1つが“タックス・リターン”です。

ビジネスの収入は立派な課税所得(税金の掛かる収入)ですので、毎年タックス・リターンでビジネスの収入を申告する義務があります。雇われているわけではないので、収入と経費の記録(記帳)を自分でする必要があり、雇われている時のように、雇用主が作成するPAYGペイメント・サマリーのようなものはありません。全て自分で管理します。

その記帳方法ですが、ノートに書いたり、エクセルを使ったり、会計ソフトを使ったりします。人を雇っていなかったり、ビジネスが小規模のうちは、1年分をまとめて領収書を足し合わせたり、エクセルにまとめても良いでしょう。どのような記帳方法が良いかは、ビジネスの規模、GST登録の有無、人を雇っているかによって異なってきます。

人を雇ったりGSTを登録しているようなビジネスであれば、会計ソフトの使用をお勧めします。エクセルの方が安く済みますが、エクセルでの記帳には、人によりセンスが出ます。よくあるのが、本人しか分からない(第3者が理解できない)エクセル・データとなってしまうことです。

また、ビジネス専用の銀行口座を作り、ビジネスだけの入出金を管理するということも大切です。ビジネス専用口座を作り、それを元に取引することで記帳も楽になります。記帳方法も会計士にアドバイスを求めることが可能です。

会計記帳はビジネスの目的ではありません。あくまでも、しなくてはならないからするだけのものです。ビジネス・オーナーの目的は、売上を上げてビジネスを繁栄させることですので、できる限り記帳の手間を省き、時間とエネルギーをビジネスのために有効に使うことが大切です。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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