2030年までに再生可能エネルギー90%に!?

環境保護政党グリーンズが構想明らかに


 左派の環境保護政党グリーンズ(緑の党)は22日、オーストラリア国内の再生可能エネルギー比率を2030年までに90%に引き上げるという構想を発表した。温室効果ガス排出量の多い石炭火力発電を廃止し、再生可能エネルギー社会への移行を目指す。公共放送ABCが伝えた。 


 同党のリチャード・ディ・ナターリー党首がABCに語ったところによると、5億ドルを投じて再生可能エネルギーの導入を推進する政府機関「リニューオーストラリア」を設立し、90%目標の達成を図る。10億ドルをかけて、再生可能エネルギーの導入促進によって職を失う石炭産業の労働者を支援する「クリーン・エネルギー移行基金」も設立するとしている。


 オーストラリアでは石炭火力が発電量の大半を占めている。国民1人当たりの温室ガス排出量は先進国でトップクラスだ。一方、2014年の全発電量に占める再生可能エネルギーの割合は13.47%(業界団体「豪クリーン・エネルギー評議会」調べ)。このうち最大は水力で45.9%、次いで風力(30.9%)、太陽光発電(15.3%)の順に多い。


 降水量が少なく土地の高低差も小さいオーストラリアでは、水力発電の拡大には限界がある。風力や太陽光も画期的な蓄電技術が開発されない限り、天候や昼夜にかぎらず安定的に発電できる「ベース電源」にはなりえない。世界最大のウラン埋蔵量があり、生産量も世界3位だが、商業用原子炉は1基もなく建設計画もない。


 ナターリー党首は具体策を明らかにしておらず、90%目標は非現実的と言えそうだ。国内に数百年分と言われる豊富な埋蔵量があり、コストの低い石炭を全廃することも現実的には難しい。ただ、グリーンズは各種世論調査の政党別支持率でおおむね10%台前半を維持し、都市部の知識人などを中心に根強い支持層がある。このため、温室効果ガス削減や再生可能エネルギー利用促進をめぐる議論に一定の影響を与える可能性がある。


 なお、再生エネルギー比率の目標は、保守連合(自由党、国民党)のターンブル政権が「2020年までに23.5%」、最大野党の労働党が「2030年までに50%」をそれぞれ掲げている。

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