電気料金高騰と雇用減の原因は「ガス輸出」

2015年以来電気料金は130%を超える上昇率

 電力料金上昇や雇用減について政党は互いに非難し合っているが、マクロビジネス・エコノミストによると、「ほんとうの原因はガス輸出にある。このような状況を放任してきた責任は保守・労働双方にある」との報告を発表している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 電力料金上昇の理由として大口送電企業の暴利、送電網の「金メッキ」過剰品質などが挙げられてきたが、本当の原因は「ガス輸出」にあるとするもので、大陸東部の電力料金限界費用を決めるのはガス価格であり、これが過去4年間の電力料金上昇の真の原因だとしている。

 たとえば国内ガス価格は2015年にはギガジュールあたり$4だったが、2年前には$20近くまで跳ね上がり、現在は$10程度におさまっている。アジア諸国の需要家価格はオーストラリア国内の需要家価格より低くなっており、オーストラリア産のLNGをアジア諸国から輸入しようという異常な話にまでなっている。

 マクロビジネス・エコノミストのデビッド・レウェリン=スミス氏は、「東部の電力料金を決めるのはガス価格だが、このような状況になることを許してきたのは保守連合、労働党の双方であり、だからどちらもそのことに触れたがらない」と述べている。

 レウェリン=スミス氏のいう「このような状況」とは、「今年中にオーストラリアはカタールを追い越して世界最大のガス輸出国に」なろうとしていることで、オーストラリアはあまりにも大量のガスを輸出しているため、国内の電力業界に妥当な価格でガスを配給するにも事欠いている。そのため、国内製造業者を含めて電力料金が恐ろしいことになっている。

 現在、石炭火力発電所が老朽化しており、代わりの発電所は排ガス規制で石炭よりもガスが望まれるがそのガス供給量が不足し、またガス価格上昇に伴い、電力料金も跳ね上がることになる。

 NSW州ポート・ボタニーにプラントを持つQenos社の場合、2016年の電力料金は800万ドル、2018年には1,800万ドルになっている。スティーブン・ベルCEOは、「自由党、労働党を問わず、すべての州、連邦政府の失政の結果だ。我が国には豊富なガス資源があり、豊富な炭化水素燃料がある。国内・国外の消費者の需要に応えるのに十分な資源に恵まれている」と語っている。

 また、全豪労働者組合(AWU)のダニエル・ウォルトン全国書記長も、「製造業はガスを確保できないため、社員数や賃金、労働条件を切り詰めようとしている。長期的にまともな価格と供給量を確保できないでいる。我が国は世界最大のガス輸出国だが、国内向けのガス供給量を確保する法制を持っていないのも我が国だけだ」と語っている。

 ただし、WA州だけは新規ガス・プロジェクトの生産量の15%を国内供給することを定めており、エコノミスト、労組、製造業企業が、「生産するガスの一定率を国内供給に確保するよう」連邦政府に要求している。
■ソース
Gas exports blamed for soaring electricity prices and job losses

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