原油価格急落に液化天然ガス・ブームもしぼむ

投げ売り状態で連邦政府の歳入も大幅に減少

 過去10年間、総額2,000億ドルにのぼる液化天然ガス(LNG)投資ブームにもかかわらず、生産規模を拡大した現在になって原油価格が低下、それに伴ってLNG価格も大幅に値下がりしており、業界は投資を回収できず、連邦政府もあてにしていた収入源を失った形になっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 エネルギー・アナリストのグレッグ・ヒューストン氏は、「オーストラリアは世界最大のLNG輸出国になりかけているが、ガス価格が崩落しており、巨額を注ぎ込んだLNG開発も経済的利益がほとんど予想できない状態だ。LNG価格低落は崖に向かってスローモーションで前進する列車のようなもの。価格は75%下落している。投資家にとって莫大な経済的打撃になる」と語っている。

 また、オーストラリアは海外LNG市場で長期契約価格を原油価格に連動させているため、最近の原油価格の急落はLNG輸出にも影響している。

 ABC放送は、ウッド・マッケンジーのソウル・カボニックの分析として、「原油価格急落は、LNG開発が建設段階から生産段階になって金が入り始める時になって起きているだけに、収支に大きな打撃になっている」との分析を伝えている。

 しかし、オリジン・エナジー社のグラント・キングCEOは、今年後半にカーチス島に建設中の新しいLNG輸出施設の稼働開始を決めており、「現在の低原油価格状況は具合が悪いが、コストを引き下げ、資本投資を抑えることでこの難しい時期を生き抜くことを考えている」と語っている。

 一方、モナッシュ大学のダイアン・クラール博士は、「オーストラリアは現在天然ガスを投げ売りしているような状態で、天然ガスからの税収はほとんどない。これまでのLNGブームは、往々にして地下資源に恵まれた国が地下資源の有効な管理に失敗し、国民生活に利益をもたらさないという世界的な通例をもう一つ付け加えているだけだ」と分析している。
■ソース
LNG boom turns to bust as falling oil price hits exports

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