銀行各社、定期預金の利率を引き下げに走る

預金者の損失総額は13億ドルと試算

 6月4日の中銀(RBA)理事会は政策金利を史上記録の1.25%に引き下げ、今後さらに引き下げる可能性を示唆し、市中銀行に対しても住宅ローンなどの金利を引き下げるよう勧告していた。

 6月10日のABC放送(電子版)は、市中銀行多数が2か月前から定期預金の利率の引き下げに急いでいる。そのため、一般預金者が最大の損失を被ることになると伝えている。

 また、国内の普通預金総額は5,260億ドルにのぼっており、50社を超える銀行がRBAの利下げ全率0.25%をそのまま定期預金や普通預金に適用すれば国民世帯の損失総額は13億ドルにもなると試算されている。

 銀行比較サイトのFinderのグレアム・クック・マネージャは、「退職年金受給者や初めての持ち家購入の頭金を積み立てている人々が最大の影響を受けることになる」と語っている。

 住宅ローンなど銀行から借りている世帯にとっては逆に利下げの恩恵を受けることになるが、金融機関の側はRBAの利下げ全率をそのままローン利率に還元するとは限らない。

 クック・マネージャは、「今後、1週間ほどの間にすべての預金の利率が20ベーシス・ポイントないし25ベーシス・ポイント引き下げられることになるだろう」と分析している。

 Finderによると、1990年以来、RBAの政策金利引き下げがあると99%の場合に預金金利が引き下げられている。

 さらに、2019年末までにRBAがさらに利下げすると予想されており、そうなると今後2,3か月の間にさらに預金利率引き下げがあることが考えられる。しかし、どこの銀行も歩調を揃えて利率引き下げを進めており、国民にはなすすべはないともいえる。

 一方、米中の「貿易戦争」で世界の証券市場も不安定な状態が続いており、銀行預金を株式投資に映すこともリスクが大きい。しかも、世界銀行は、世界経済成長率を2018年の予想率3%から、2019年1月には2.9%に引き下げたばかりだが、先週にはさらに2.6%に引き下げている。また、住宅不動産市場も値下がりが続いており、先行きが見えない。
■ソース
Australians could lose $1.3b as banks rush to cut term deposit interest rates: report

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