エコノミスト、若年者失業率急増警告

総失業率には変化なく、しわ寄せ顕著

 保守連合連邦政府の現実を無視した若年者失業対策が問題になっているが、公式統計で全体の失業率は前回と変わりないが、若年者失業率が急増していることが明らかになった。また、パートタイム労働者も「生計を支えるだけの十分な勤務時間が得られない」としている。

 失業率は5.8%で前回と変わりないが、理由の一つとしてベビーブーマーが引退し、また長期失業者が求職をあきらめて労働市場から撤退していることが挙げられる。

 保守連合政権は5月予算案で若年失業者に「仕事を見つけるか、教育訓練を受けるかしなければ失業手当はない」という政策を打ち出しているが、もっともらしい文字面とは違い、現実には「若年者求人が圧倒的に不足している」ことは関係団体が指摘している。その指摘を裏打ちするかのように、若年者失業率が過去12年で最高の数字に達した。それだけでなく、若年者雇用の大きい小売部門やサービス部門につきもののパートタイム雇用でも、「十分な収入を得る勤務時間がもらえない」と苦境を訴える人が多い。

 5月にはフルタイム雇用が22,000人増えたがパートタイムが27,000人減っている。エコノミストの中には、「楽観できる徴候ではない。労働力率が底づきしたかと思ったが、まだまだ下がるようだ」と評する者もいる。また、ウェストパックのエコノミストは、「頭をひねっているところだが、労働市場から撤退する人が増えているこの現象は予想した以上に構造的なものであり、今後も続くようだ。その規模はベビーブーマーの引退だけでは説明がつかない。総人口に対する労働人口の比率が予想以上に急激に下がっている」と分析している。また、その結果として国民世帯の消費意欲が減退していることも挙げられている。

 一方、15歳から24歳までの若年者の失業率は過去12年で最高の13.1%に達している。モナシュ大学のルーカス・ウォルシュ研究員は、「若年者は経済サイクルの変化にもっとも弱い部分で、先の世界金融危機でも若年者の雇用減少が真っ先に現れ、しかも他の年齢層に比べて大きかった。現在も経済の不安定化の犠牲になっているのが若年層だ。小売、サービスは経済の変動にもっとも敏感に影響を受ける部門であり、若年層の失業率急増はその表れだ」と語っている。(NP)

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