91歳の元医師、薬物密輸で逮捕さる

犯罪に巻き込まれる高齢者、障害者

 ドラッグ・シンジケートがミュール(運び屋)として、組織構成員以外の人間を使うことは以前からあった。金に困っている者に片棒を担がせることもあるが、最近では高齢者や精神障害者、世間に疎くてだまされやすい人を利用するケースが増えているとも伝えられている。しかし、インドネシアや中国の事件では障害者やだまされたケースでも極刑を受けており、彼らを利用するシンジケートには手が届いていない。91歳の元口腔外科医、ビクター・トゥオーツさんもそういうシンジケートに利用された一人の可能性がある。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同放送の時事番組「7.30」によると、インドからシドニー空港に到着した飛行機に乗っていたトゥオーツさんは、スーツケースの27本の石けんから4.5kgのコカインが見つかり、入国検査で逮捕された。トゥオーツさんは、「旅行費用を全額出してくれた人がいて、インドでその人と会い、オーストラリアの友人へのみやげとして石鹸をことづかった」と語っている。

 息子のピータートゥオーツさんは、「父は仕事の契約で向うに飛んだ。1000万ドルの遺産相続があり、その相続を手伝うという話だった。その仕事が終わり、オーストラリアに戻る時に、インドの相手が、遺産を管理する銀行のマネージャ宛に贈り物として石鹸を父に預けたという話だ。父はセブンスデー・アドベンチストの熱心な信者であり、犯罪歴はまったくない。荷物がドラッグだと知るはずもない」と語っている。

 トゥオーツさんの事件は西アフリカの犯罪組織の手口そのままで、連邦警察⁽AFP)捜査員も、「シンジケートに狙われていたようだ。シンジケートは身寄りのない人や弱い人に近づいて信頼を得てから利用する。利用される方は何も知らずに恩を受けたものと思い込み、相手を裏切ることもできなくなる。年齢、性別、信仰などかかわりなく、利用しやすい相手を狙って親しくなるところから始める。利用された人は数多い。これまでにこのシンジケートに利用された人を40人逮捕している」と語っている。

 このような逮捕者のうち、3分の2は国内の裁判所で無罪を言い渡されているが、通常長期にわたる受刑の果てということも多い。また、現在、海外でオーストラリア人55人が逮捕されており、国によって処罰は重い。トゥオーツさんは、「たぶん刑務所に送られることはないだろうが、送られても構わない。税関でコカインを発見してくれたことがありがたいと思う。私は若い人たちがドラッグに手を出すことには反対だし、発見された分だけ若い人たちにはゆかなかったことになるからだ」と語っている。
■ソース
91yo former oral surgeon Victor Twartz unaware he was carrying 4.5kg of cocaine in soap when arrested at Sydney Airport

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