インドネシアの青酸アイス・コーヒー事件、豪人有罪判決

豪専門家3人が疑義、しかし改悛の情なしと懲役20年

 ジャカルタの喫茶店で友人を青酸入りアイス・コーヒーで殺害したとして裁判が進められていたオーストラリア国籍女性は有罪とされ、懲役20年の判決を受けた。事件についてはオーストラリアの専門家3人が「青酸化合物による毒殺」に首をかしげており、被告人の弁護人は控訴の意図を明らかにしている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 2016年1月6日、インドネシアのジャカルタのショッピング・モールのレストラン、オリビエで、Wayan Mirna Salihinさん(27)は、友人のJessica Kumala Wongs被告人が買ったベトナム風アイス・コーヒーを一口飲んだ後、突然崩れるようにして倒れ、死亡した。

 検事は、「感情的に不安定なWongso被告人は、以前にオーストラリア人の元ボーイフレンドをSalihinさんに批判されたことを恨みに思い、この日、アイス・コーヒーに青酸化合物を入れてSalihinさんを殺害したとして、20年を求刑していた。被告人とSalihinさんはシドニーのビリー・ブルー・カレッジ・オブ・デザインで共に学んだ仲だった。

 Kisworo首席判事は、「被告人の計画的な犯行と認める。被告人は自分の友人を殺害しながらその罪を認めておらず、改悛の情がみられない」として求刑そのままを言い渡した。これに対して、弁護人は、被告人がまだ若いこと、また初犯であり、更正の可能性が残されているとしていた。

 また、Salihinさんの死後70分後の検視で胃液、胆嚢、肝臓、尿に青酸の痕跡もなかったが、数日後の検査で胃から微量の青酸が検出されただけという報告書に対して、オーストラリアの法毒物学者、マイケル・ロバートソン氏が法廷で、「この検査結果からは青酸を飲んだという証明ができない」と証言した。しかも、Salihinさんの全身的な検視解剖が行われておらず、弁護人は「自然死の可能性も残されていると主張していた。他にも2人のオーストラリア人専門家が報告書やレストランの防犯ビデオに映されたSalihinさんの死亡状況から、青酸中毒には否定的だったが、インドネシアの法廷では取り上げられなかった。

 一方、豪連邦警察(AFP)がオーストラリア国内で証言を集め、法廷に提出しており、1人はSalihinさんに批判された元ボーイフレンドのパトリック・オコナーさんで、別れてから被告人の暴力を恐れ、保全命令を取り、被告人がオコナーさんに近づくことを禁止させた。

 また、被告人の以前の勤め先、NSW州救急隊の上司、クリスティー・カーターさんの証言は、被告人が感情的に不安定な二重人格であるときめつけ、また、人を操る傾向があるとしている他、過去に口論で、「あんたもあんたの母親も死ね」あるいは「人を殺す方法なら知っている。ピストルも持っているし、毒薬の盛り方も知っている」と言ったこともあると証言している。

 被告人は弁護人を通じて控訴の意を発表している。
■ソース
Cyanide Coffee murder: Australian resident Jessica Wongso jailed for 20 years

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