「氏名公開は本人の生命に危険」と著名弁護士

メルボルン情報提供弁護士3838の身許公開

 3月1日、メルボルンの法廷は、1990年代にメルボルン犯罪界専門の弁護士を務めるかたわら警察に犯罪者の情報を流していた「Lawyer X」の氏名公開を命じた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この元弁護士はニコーラ・ゴボ氏で警察のファイルには「Informer 3838」で記載されているが、弁護士の職業上知り得た情報を警察に渡すことには背任の疑いがあり、また、警察がそれと知りつつ弁護士を情報提供者に仕立てていたことの違法性についてVIC州政府が特別調査委員会を設立して調査の過程で浮かび上がったもの。

 VIC州警察などの機関は、「公開すると本人の生命に危険が及ぶ」として、氏名公開差し止めを求めていたが、裁判所はこの主張を却下した。

 しかし、過去に犯罪者の警察内通者の夫婦が何者かに「処刑」されており、また、メルボルンで殺害された弁護士も警察内通者だったことが明らかにされている。また、犯罪界でもゴボ氏には警察内通者の疑いが持ち上がっており、何度か脅迫や焼き討ちを受けている。

 また、かつてメルボルン暗黒街の住人の弁護を行っていた引退法廷弁護士のピーター・ファリスQCは、「ゴボ氏の写真がメディアで大々的に報道され、誰でも彼女を町で見かければそれと分かるようになった。彼女の生命に対する危険は急拡大した」と語っている。

 Lawyer Xの身許公開差し止め命令申請を却下した控訴裁判所は判事の全員一致で、「実際にゴボ氏または彼女の子供に危害を加えようとした証拠はない。また、彼女に危害を加えるつもりのある者はすでにLawyer Xがゴボ氏であることを知っている」と判断した。

 VIC州特別調査委員会のマーガレット・マクマード委員長はこの決定を歓迎し、「1995年から2009年までの期間にゴボ弁護士の弁護を受け、有罪判決を受けた者は名乗り出るように呼びかけている」と発表しており、弁護士が弁護のかたわら依頼人の情報を警察に流していた行為は判決そのものを無効にしかねず、再審で犯罪が明らかでありながら無罪判決を受ける可能性も出てきている。

 ゴボ氏はVIC州でも著名な法曹界の家系出身で、叔父のジェームズ・ゴボ氏はVIC州総督を務める前に1978年から1994年までVIC州最高裁をつとめていた。

 しかし、サー・ジェームズ・ゴボ氏らの家族は、「この発表に驚いている。私たちはだれも何年もニコラと会ったこともなかったし、彼女の行為も調査委員会のことも知らなかった」と声明を発表している。
■ソース
Nicola Gobbo’s safety at risk after Lawyer X suppression lifts, lawyer says

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る